7 おべんとうをたべる。
おべんとうをたべる。
「ちょっと早いけど、お昼のお弁当食べようか?」と若いお母さんが言った。
「はい。食べます!」と嬉しそうな顔で小さな娘が言った。
ちゃんと食べないと長い旅は続けていけない。まずはお腹をいっぱいにしないと、歩けない。(へとへとになってしまう)
若いお母さんはきょろきょろとあたりを見渡して、どこかで朝早くに起きて頑張って作ってきたお昼のお弁当をたべる場所を探した。(小さな娘も一緒に探してくれた)
するとすこし道の離れたところに、そこだけなぜか地面が真っ白ではなくて、丸いかたちに地面が緑色になっているところがあった。
赤や黄色の花もすこし咲いている。とても気持ちの良さそうなところだった。
「あそこでお昼のお弁当を食べようか?」と若いお母さんは言った。
「はい。わかりました。お母さん」と小さな娘は手をあげて言った。
二人は久しぶりに真っ白な道からすこしだけ離れて、丸い緑の地面のところまで歩いていった。
その緑の芝生の上に(緑色は芝生だった)若いお母さんは花柄の親子のきつねっぽい動物の駆け回っている模様のあるシートを引いて、その上に用意してきたお弁当を広げた。
お弁当箱の中には、塩おにぎりと甘い玉子焼き。それに焼いたウインナーソーセージ。小さめの丸いハンバーグ。ポテト。が入っていた。
「すごくおいしそうですね。お母さん」と小さな娘は目をきらきらさせながらお弁当の中を見て、言った。
「じゃあ、さっそく食べようか。お腹も減ってるもんね」と言って若いお母さんは笑いながら、小さな娘のあたまを優しく撫でた。