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炊飯器をあけると、ふわっと白い湯気が出た。その中には炊き立てのあつあつの真っ白なごはんがあった。(すごくおいしそうだった)
小さな娘がそんな風景を食い入るように見ている横で、若いお母さんはしゃもじでごはんをかき混ぜてから、それをお茶碗の中にとって盛り付けた。(大盛りにしてあげた)
「ありがとうございます。お母さん」小さな娘はいぬっぽい動物の絵が描かれている桃色のお茶碗を受け取ると弾んだ声でそう言った。
久しぶりだったけど、やわらか豚肉の角煮はよくできた。若いお母さんはできあがったやわらか豚肉の角煮をお皿に豚肉二つ、大根二つ、煮卵一つとって二人分、盛り付ける。
その二つのお皿をキッチンのテーブルの上に置いた。
たきたてのごはんと柔らか豚肉の角煮(お代わり自由)とそれから、サラダを用意した。(お味噌汁も作ろうと思ったのだけど、やっぱりサラダにした)レタスときゅうりとトマトのサラダだった。
飲み物はミルクたっぷりのコーヒー。(半分半分でわったもの)
それらの夕食の用意ができると、若いお母さんは自分の椅子に座って、もうずっと前から自分の椅子に座っている食べる気満々の小さな娘の顔を見た。
小さな娘はなんだか本当によだれをたらしそうな(漫画で見るような)だらしない顔をしていた。
そんな小さな娘を見ながら、若いお母さんは「じゃあ、いただきますしようか?」と笑って言った。
「はい。お母さん」と小さな娘はすぐにそう言った。
それから二人は(まずは手を洗ってから)いただきますをして、二人で一緒に美味しい若いお母さんの手作りの夕食を食べ始めた。
「美味しいです!」とやわらか豚肉の角煮とごはんを口いっぱいにほおばって、小さな娘は若いお母さんを見て、(目を大きくして)そう言った。