鬼ごっこ
あの後醤油、味噌パーティになった。
初めての味だが好評で良かった。特にホイル焼きは人気だった。
ここ数日ずっと大豆と格闘していたので父様と母様からお休み命令が下った。子供らしく遊びなさいと。
すみません、中身はアラサーなんです。
と、言うわけで今日はお庭でお昼寝してます。
朝から競争したがやっぱり私が負けた。
皆んな強い…
「ふぁーぁ」
「ぶう」
クロも起きたみたい。溶けてる。
触ると16角形になる。ナゾ。
「クロ、たにょしかった?」
「ぶうぶう」
「しょうゆとみしょできたねぇ」
「ぴょー」
「ピンクも?」
ハート型をなでる。プルプルしてる。
「めぇめぇ」
ネネが自分もとアピールしてる。
「ネネもがんばりましゅた」
もふもふ。
ミミもネネも初めて会った時より毛並みが良い。
まさかあんなに強いとは思わなかったけど。
ミミは仰向けで大の字で鼻ちょうちんを作って爆睡中だ。
昨日はしゃいでたからなぁ。
ネネをもふもふしながらソルリアに目を向ける。
「我にかかってこい…」
物騒な寝言だ。狩りでもしてるのだろう。
いい天気でソルリアの毛並みは虹色に輝いている。
スライム達は
キイロは横?になっている。
アオは転がりながら寝ている。池に落ちませんように。
シロは「ぷう、ぷ、ぷう」謎の寝息。
ミドリはビクともしない。
アカはどこか上かわからない。ピラミッド型だし。不思議。
平和だねぇ。
「もうしゅこし、ねようか」
「ぶう」
「ぴょー」
「めぇ」
おやすみなさい。
そんなのどかな1日。
こんな日あってもいいよね。
本日はみんなで鬼ごっこ。
絶賛連敗中。
魔法を使わず捕まえてみせる‼︎
たとえ2歳児の身体でも。
どっちかというとかくれんぼになっている。
どこだ?
色の濃いスライムなら見つかるはず。
流石にソルリアには追いつけない。
ヨウハも速い。浮いてるし。
茂みにキイロが‼︎
「みちゅけたぁぁぁー‼︎」
思わず叫んでしまったぁ、私の馬鹿‼︎
「ぴいー」
キイロは逃げる。
「まてー」
追いかける私。
キイロは長いスライムだからチャンスだ。
今度こそ連敗脱出‼︎
フライングジャーンプ‼︎
「えいっ」
ムンズ。
キイロの端を捕まえる。
やったあ、捕まえた‼︎
ヒュー
ドゴンッ
「いたいー」
何か頭に当たった。
「キイロ、いたい」
キイロが叩いたのだろう。
「ぴい、ぴい」
キイロが手?で違うとアピール。
「いったいにゃにが…」
横を見れば金色の羽に淡く青く光る小人が目を回している。
「水の妖精です」
ヨウハが言う。
空から妖精が降ってきました。
妖精の介護のため鬼ごっこは中止。
みんなで妖精を見る。
「恐らく僕と同じ理由でしょう」
ヨウハは言う。
本当に物騒だな。頭に当たったのは故意か?偶然か?
ヨウハは心配している。
「だいじょうぶ」
ヨウハを撫でる。サラサラの髪だ。
ヨウハは女の子の妖精だった。初めは短かった髪も私の魔力で伸びてお気に入りらしい。
僕っ子妖精だ。
「うーん」
目を回してた妖精が起きる
「だいじょうぶ?」
パチっ
綺麗なロイヤルブルーの瞳だ。
「ありがとうございます、私ごときを気遣っていただき」
なんで?
「たすけりゅのはあたりまえでしゅ」
「貴方は」
「エアリア・フェリア」
「何故私を」
「こまっているならおたがいしゃま、たしゅけあわなきゃ」
「心遣いに感謝します」
なんか、いろんな目にあったんだろう。だけど。
「わたしとおともだちににゃってくりぇる?」
仲良くなりたい。
その妖精は泣き出した。
泣きながら
「我何時も星と主人と共に此処に祝福を」
召喚契約の魔方陣を出した。
スイル
水のスイ、スマイルからスイル。
「よろしくにぇ、スイル」
泣き虫で臆病な妖精が友達になった。