甘いもの
実は砂糖と塩は存在していた。が、あまり生産されていないだけだ。生産自体が難しいわけでは無いらしい。
ならば、公爵家で買い取ればいい。
潤沢な資金万歳。
となるとチョコレートに必要なカカオを探さねばならない。
うーんと悩みながらアイテムボックスを探る。
この中にレイアからの贈り物が入っていたのに気づいたのは昨日。
ちなみに今発見したのは本2冊。
人物大辞典
興味ない人を覚えない私に一度見た人のデータが観れるものだ。
すれ違った人にも反応する。今のところフェリア家の人ばかりだが。
生き物大辞典
人物の魔物、魔獣、妖精、神獣バージョンだ。
勿論ソルリア、アス、デイルも載っている。
だから、食物編はないかな~って、探ってる。
ソルリアをソファーにして。
最高‼︎
ソルリアは器用に前足を使って人物大辞典を読んでいる。
そんなのどかな時間を過ごすしていたら、
フェリア家御用達の商人がやってきた。
彼はアルナド商会会長ダイラ・アルナド。
会長なのに自ら未知の物を求め国中を回っている。
元は冒険者だったらしい。
そんなダイラさんが今回持ってきた物のなかに見つけた。見たことあるフォルムを。
カカオだぁー‼︎
「なんだ、カカオとは」
ソルリアでも知らないらしい。
「あれで、あまいたべものがつくれりゅの」
「ほう、面白い」
捕獲だーー
思わずダッシュ。
「ダイラしゃん、こりぇください‼︎」
「エアリアお嬢様、これは食べ物ですが、とても…」
知っている。カカオは加工すれば最高の甘味なのを。
「くだしゃい‼︎」
思わず力が入る。
見事カカオを手に入れた私は、砂糖をおねだりし、
レイアからの地球バージョンの生産方式を魔法で補い頑張った。
時々ソルリアにつまみ食いされながら。
お気に召したらしい。
そして1週間、ついに、ついに出来たぁーチョコレート‼︎
2年ぶりだあ。
家族に食べてもらう。甘い物だめな人いるかも、とドキドキしながら。
「美味しいわ、エア」
「初めて食べる味だね」
両親は喜んでる。
「どうやって作ったんだい?」
アル兄様は作り方が気になる様だ。
カカオを原料に発酵、焙煎、乾燥、さらに二次加工をした過程を
魔法であーしたこーしたで誤魔化し説明する。
「素晴らしいわエア」
アティ姉様が褒めてくれる。
「父様、カカオを専用契約し、フェリア家の名物として売りましょう」
フリ兄様がとんでもないことを言い出す。
え?自分が食べられて満足だけどいきなり商売⁈
あれよあれよと言う間に話は進み
フェリア家を更に発展させるチョコレートの誕生だった。