嵐襲来
私の適正が分かって3日、今我が家は嵐が巻き起こっています。
「炎魔法だ‼︎」
父様が握りこぶしをして高らかに叫ぶ。
「聖魔法よ」
母様がニコニコ笑顔で父様の足を踏む。えげつないです母様。
「では、雷魔法だ‼︎」
足を踏まれ蹲りながら叫ぶ。い、威厳が…
「治癒魔法です」
母様はもう片方も踏みとどめを刺しにかかる。
そしてもう一つの嵐に目を向ける
「攻撃魔法だ‼︎」
アルフレッド兄様が叫んでいる。
「そうですね、風魔法がいいですね」
アティラナ姉様がプラチナの髪をなびかせ言う。
「いや、エアリアに攻撃魔法なんか危険だ、支援魔法だ」
フリーデル兄様か反論する。
「まぁ、フリ兄様は攻撃魔法が物騒なものだと言われるのですか」
アティラナ姉様の背中に炎が見える。
「いざという時役に立つのは攻撃魔法だ‼︎」
アルフレッド兄様は名案とばかりに言う。
そう、私の適正が分かってからと言うもの私が最初に学ぶ魔法が何かで争っている。今では使用人達も争っている。
あ、父様ダウン‼︎カウント3.2.1
「大地魔法だ‼︎」
た、立ったーが、体力気力はもう無い‼︎
「攻撃魔法しか出ないのですか‼︎」
出たー‼︎母様の一撃必殺右拳‼︎
K.O‼︎
って、実況してる場合じゃない、
止めなければ、
もう、3日だ。
3日もあれば、当然
「おとーしゃま、だいじょうぶでしゅか?」
「大丈夫だよ、エアリア」
いや、ボロボロだよ。
「ヒール」
父様の傷を癒す。
そう、3日もあれば、公爵家のこの書斎には膨大な魔法書があるから取得できる。これもレイアのおかげであるがせっかくの力だ使わせてもらおう。
「エアリアもう魔法を⁈」
母様が驚いている。
「じぶんでしゅうとくしました」
そしていまだに言い争っている兄様達に
「ウォータースコール‼︎」
怒涛の雨を降らせる。
頭を冷やせ‼︎どりゃぁぁぁ
「「「エアリア」」」
三人揃ってびしょ濡れで呆然と私を見る。
「けんかはメッ‼︎」
こうしてフェリア家の不毛な嵐は去った。