夏の終わりに
ゆっくりと
静かに
雨が降り始めた
入道雲は
いつのまにか
どこかへ消えてしまって
薄くて明るい雲から
ほのかに暖かい水が滴り落ちてくる
きっと
もうすぐ夏が終わる
来週には冷たい雨が降るだろう
秋風が吹きはじめ
木々の葉を
ゆっくり
静かに
紅く染めていくだろう
僕は窓辺にもたれて待っている
窓を開け放ったアトリエで
君の姿をキャンバスに描くために
君の純白のワンピースが風に吹かれて
君の長い黒髪が肩から胸に流れて
君の瞳に白いカーテンが揺れて
新しい季節の君が
僕に微笑む瞬間を