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2話 石の中で一週間!



 石に転生してから一週間がたったと思う、勘だけど。


 はっきり言って、マジでやる事がなさすぎる。やる事が無さすぎて死ぬかもって位やる事がない。


 想像してみてくれ、誰もいない暗い中、周りは全部、土、土、土!

 娯楽もない。人とも関わりがない。


 まあ、確かにあのノーパン女神に色々失礼な事はしたと思うけど、さすがにこれはきつい。


 娯楽や人との関わりがないだけでここまできついとは思ってなかったし、最初は一年だって一人で大丈夫とか調子こいてたけどやっぱ無理だわ……


 最初の方は、何か出来ないかなと色々やった事があるけど……


 まあ、結果はというと、何も出来なかった。


 そんな何も出来ない状態で一週間何もしてないと自分の事について色々と考えてしまう。そして、そんな事を考えているとついに頭がおかしくなったのか、頭の中に色んな言葉が流れてきた。


 今まで何も変化がなかったので突然の変化に少し驚いたが少しだけ期待を胸に確認した。


 《能力一覧》

 名前 高宮 隆司

 年齢 なし

 分類 魂

 種族名 なし

 階級 十級


 能力 なし


 これを確認した時には、文字通り自分自身の能力や状態が見れたりするんだと思うけど、何もない。当たり前だけど少しショックだった。

 そして、一番困惑したのは、分類の魂という所だ。俺は石という存在ではなくて、ただ石の中にいる魂ってことになるのか?

 まあ、確かに石の中からこう、外を見てるなって感じはしてたけど……。

 じゃあ俺転生してないの?


 そんな感じで戸惑ってたけど、考えたって何も出来ないんだから考えるだけ無駄じゃね? と思い、考えるのは放棄した。


 そんな事をした後からは本当に何もやる事がなくなったので、ただ呆然としていた。


 こう、何もやることがないと、日本にいた頃をよく思い出す。


 そういえば、高校入学した数日後にクラスの女の子(美人)のスカートをおろしちゃったんだよな。しかもファンクラブがある程の美人の……決して、わざとやったわけじゃない!

 ただ、階段の段差に盛大につまずいて何かに掴もうとして、それで、まあ、スカートを……ね……。それで女の子(美人)が泣いちゃって、学校中の女子に目の敵にされ、ファンクラブの奴らと大喧嘩して大変だったな。


 そういえばその事が原因で彼女が出来なかったような……。


 うわ、嫌なこと思い出しちゃた。


 あー、もう考えるのはやめよう。


 そして、いつもと同じように呆然としていた時に、いつも感じない感覚に襲われた。


 自分が溶けていく、そんな感覚に襲われたのだ。


 あれ?これ俺死ぬんじゃね?


 自分が死ぬかもしれない状況にいるのに、あまり恐怖は感じないなかった。


 てか、魂が死んだらどうなるのかなー。

 消滅かなー、まあ、こんな地獄にいるくらいなら消滅した方がましか、と逆に考えていた。


 だんだんと意識を失い始めてきた。


 あー、そういえば、友達に100円貸したまんまだったわ……


 最後かもしれないのに、こんなにどうでもいい事を思い出すとは俺って奴は……


 もう意識が……



 ◆◇◆



 魔界地下100㎞にその石は存在した。輝く光に包まれながら……


 《魂と器の接続不良を確認。転生を開始………転生中………転生完了》


 《種族名【石】に転生確認……》


 《能力【環境適応・3】を付与……》


 《【環境適応・3】の効果により、能力【生成】【形状変化】【表皮変化】【金属吸収】の獲得を確認……》


 《高宮隆…の意……覚醒を確認……》



 ◆◇◆



(うっ……ここは……どこだ? 暗いし、上下左右どこもかしくも土ってどうゆう……って、土? じゃあ、まだ俺、石の中にいる?)


 すると、頭の中に途切れながらも、声が響く。


《一年後、ち………………ます。…の………、必ず…きゅ………………………さい。》


 頭の中に響いた声は、プツリと切れる。


(なんだったんだ。今の声は……)


 隆司は、この声に聞き覚えがあった。数秒考えたが、隆司は答えに辿り着かなかった。しかし、聞き取ることが出来た言葉『一年後、必ず』は忘れないよう、何度も頭の中で唱えた。


 予想外の出来事を頭の中で整理した隆司は、自身の状態を確認するために《能力一覧》を発動させる。次の瞬間、前よりも多くの言葉が頭の中に流れてきた。


 《能力一覧》

 名前 高宮 隆司

 年齢 0歳

 分類 魔族

 種族名 【石】

 階級 十級


《種族能力》

【生成】【表皮変化】【形状変化】【金属吸収】

《迷宮能力》

 なし

《遺跡能力》

 なし

《魔法能力》

 なし


<環境適応・2>


(なにこれ?)


読んでいただきありがとうございます。


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