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1話 女神を怒らせちゃった!

初めて書いた小説なので、稚拙でダメな所が沢山あると思いますが、どうぞよろしくお願いします。

 俺は今、石だ。


 比喩とかではなく、ガチの石だ。


 直径は5㎝ぐらいの石で、形は綺麗な丸だ。


 何故、石になっているのか? 何故、石が意思を持っているのか? そのような疑問が湧くだろうそれについては時が少し遡る。


 ◇◆◇


 俺の名前は高宮たかみや 隆司りゅうじ、16歳の高校一年生だった。

 何故、過去形かと言うと俺は既に死んでいるからだ。

 多分、死因は登校中というか、学校の目の前の道路でトラックに轢かれたのが原因だと思う。なぜ、多分かと言うと、トラックが目の前まで来ていた所までは覚えているが、その後の記憶がないからだ。


 まあ、痛かった記憶がないから、即死だったんだろう。


 痛みもなく死ねた事は良かった。両親も事故で先に亡くなってるし、未練はない! ……と言えば嘘になる。


 向こうに残ってる数少ない友達も気になる。それにもう少し生きていたかった。児童保護施設での家族との楽しい思い出や、俺と同期でそこに入った、ムカツク野郎との喧嘩の日々、それをいつも止めてくれた友達。

 高一の時は普通の人が体験しないような、数々の体験、死にそうになった時もあった。


 死んでから数々の思い出が蘇ってくる。


 まあ、もう死んでるし、仕方のない話だけど……


 ちなみに今の俺の状態は、小さい星? みたいな所で、人魂のような形をしていると思う。この小さい星の空は真っ暗でまるで宇宙にいるみたいだ。


 それと何故、自分の形が分かるかと言うと、俺の周りには様々な人魂が浮いているからで、まさか俺だけ人の形とかあり得ないだろうし、この周りにいる人魂達も死んだ魂なんだろう。


 そんなことを考えていると、隆司ののちょうど、斜め上あたりで真っ暗な空には相成れない金色の光を放つ裂け目が現れた。


 その中から話声が聞こえて来る。女性の声だ。


 すると、中から白い衣で身を包み、背中には2mはありそうな白い翼と小さい顔に金髪でパーマがかかっている綺麗な長髪、そして長いまつ毛で縁取りされた碧眼の女性がいた。


「皆さん、私は女神のフリゾナと申します。」


 全てを包み込んでくれる温かさを持つ優しい声で女神と名乗る女性は話かけてきた。


 そして、女神が出てきた裂け目から続々と仮面を被った天使らしき者達が出てきた。数は俺達、人魂が数えきれない程の数に対して天使らしき者達は20人程しかいなかった。


(女神がいるという事は、何かされるんだろうな。多分死んだからどっかに転生したりするのかな? 輪廻転生って言葉があるくらいだから、また人間に…………てっ、こ、この位置は完璧にパンツ様を拝めるじゃないか!?)


 そんな女神に対して隆司が失礼な事を考えている間にも、女神は何かを話していたが……


(今はそれどころじゃない! くそっ! あと少し! あと少しで見れそうなのに何故だ! 何故見えない。まさかノーパン……)

 

 その瞬間、突然隆司の目の前の視界が変わる。

 目の前には誰もが見惚れるであろう美しい顔の女神がいた。だが、口元はにこやかに笑っていたが、目が笑っていなかった。


(あれ? 何で怒ってるんだ? ん? この女神、外見20歳ぐらいだから胸はもっとある方だと思ってたんだけど、貧乳だったか……)


「あんたね……黙って聞いてれば……私が気にしてる事を……! 」


 女神は怒りで体が震えていた。


(あれ? もしかして、心の声聞こえちゃってる?)


「えぇえぇ、聞こえてますよ! あなたが私の神聖である女神の衣の中を覗こうとした事や! 私の胸を……私の胸を……! 」


 女神は、自分のない胸を隠しながら、目の端に涙を浮かべ、隆司を睨む。


(あー、そのー、本当にすいませんでした! まさか心の声が聞こえるなんて知らなくて……本当にすいませんでした!)


 隆司は頭を何度も何度も下げる勢いで謝った。実際には、体も頭もないため、激しく上下してる感じで動いている。


「ぜえぇぇったい! 許すもんですか! 私を侮辱した罪は絶対に受けて貰います! 」


 そう言うと、女神は隆司を掴み、その瞬間また隆司の視界が一気に変わり目の前に十数台の大砲が現れた。その大砲の先には地球のように綺麗な星があったのだが、その時はいきなり現れた大砲に目がいってしまい隆司は気づいていない。


(えーーっと、これは何ですかね?)


「ふぅん! そうですよね! 私の神聖なる服の中を覗こうと必死でしたしね! 私の話なんて聞いてないですよね!」


 女神は腰に手を当てながら声を撒き散らす。


(本当にすいません! 反省してるんでこの砲台についてだけでも教えてください! お願いします!)


 隆司は激しく上下しながら思う。その隆司の思いに対して女神は、反省していると思ったのか


「まあ、反省しているなら教えてもかまいません。」と少し気を許してしまう。


(ふっ、チョロいぜ。あっ、やばっ、つい口が滑った。てっ、口ないや。)


 この隆司の発言もとい思いによって隆司の運命はもう決まった。最悪の運命に……


「チョロ…………そうですか。そういうことを言いますか。なら絶対にこれが転生砲だって事は教えて…………あっ! 」


(この女神、やっぱりチョロいな。 まあ、転生砲ってことはこの大砲で多分俺を発射して対象に転生できるって所だろう。)


 しかし、それが分かったところで隆司は最悪の運命からは逃れられない。


「まあ、あなたにはこれから死よりも苦しい苦痛を味わって貰うんですから、これくらいはいいでしょう。」


 その言葉に対して、隆司は冷や汗をかいたような嫌な感覚を覚える。


(え? 死よりも苦しい苦痛?)


「えぇ、そうですよ、あなたがこれから転生する場所は、魔界と呼ばれる神に精霊にも見捨てられた場所、しかも、その魔界の地上から100㎞地下にある石に転生させますのでどうぞ世界を楽しんで下さい。あっ! ちなみに記憶も消しませんし、感情も残しておきますね。」


 「私って優しい!」と言いながら大砲に向かい、隆司を大砲に押し込み、大砲の側面にあった半透明のキーボードらしき物をいじる音が聞こえる。


(何? 嘘だろ? 地下100㎞って絶対動けないし、てか石だとまず動けないじゃないか! 転生出来るのに石になるなんて…… ふざけるなーー! いくら何でもそんな罰は酷すぎるぞ女神! くそっ! 何で、この砲台から出られないんだ!)


 そんな隆司の悲痛な思いに対して、女神は嬉々として手を動かす。


「そんな事知りません。あなたには私を侮辱した罪を受けて貰うんですから。あ、ちなみにその砲台に一度入ると発射するまで出られませんから。良かったですね。」


 狙いを定めたのか、大砲が動き出す。


(うわ、詰んだ……)


「それでは、良い転生ライフを! 」


 その言葉が言い終わると同時に、隆司は砲台の発射音と共に真っ暗な空に放り出される。


 そして、振り向き様に見た女神の顔は、今までに見た笑顔の中で一番美しく綺麗に見えた。が、これだけは最後に言ってやる!


(この! ノーパン女神いいいぃぃぃぃぃ!)


「私は、ノーパンじゃありません!」


 そして冒頭に戻る。


読んでいただきありがとうございます。

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