たとえ終わる日が来ても 心貴エンド
その声は心貴を呼んだ。愛しそうに呼ぶ白夜の声に心貴は目を細めた。
真異はそれを聞き微笑むとその場を立ち去った。
声は導く心貴を白夜のもとへと。進んだ先にあったのは微笑む愛しいものの姿。
それに心貴は手を伸ばした。そして掌は触れあう。指を互いに絡めあう。
優しい時間が続いた。そして白夜は告げる。
「呪詛が解かれようとしているの。それが私にもわかるの」
「終わりは近いとそう感じれる。それが嬉しいの」
「やっと人として終わることができるの」
「なのにどうして……っ」
その先の言の葉は音にはならなかった。唇を封じられていたから。
触れるだけの優しい口付け。それに泣きそうになる。
心貴は微笑み首を振る。どうかそれ以上は言わないで。
そう言われていると白夜は感じた。
人として自分が終わることを願っていると彼は知っていた。
その願いを彼は阻まない。それでも頬を滴は伝う。
それを彼は唇で受け止めた。温かな時が幾ばくかすぎて心貴は告げる。
「私を貴女が選んでくれたことを嬉しく思います」
「その日が来るまではずっと共にいることをお許しくださいますか?」
その言の葉に白夜は微笑みあまやかな声音で告げる。
「この気持ちに気づいたときから許しているのですよ?」
「どうかその日まで私の傍にいてくださいませんか?」
その言の葉に二人は微笑みあい互いに口付る。何時か終わる日が来ても彼方を愛しく思うから。
二人は共にある。その日は確実に近づきそれでも微笑みあって二人生きていく。
傍にはこちらを思う一人の神も寄り添いそして現在を彼女は駆ける。
そして彼女は人としてその生を終える。愛しいものをこの現世に残して。




