16/22
白衣の神の落し物
深夜、眠りについていた白夜は何かに惹かれるように目覚めた。
心貴と真異が眠っていることに不信感を覚えそして目にしたのは
透き通るほどに美しいこの世を彷徨う少女の姿だった。
彼女はこちらを見据えていた。何をするでもなくただ真っ直ぐに澄み渡るその眼差しで。
白夜は彼女に語りかけた。かさけき声音でひそやかに。
「貴女様が私たちをこの地に呼ばれたのですね?」
その言の葉に少女は微笑んだ。そして彼女は紡ぐ。
「白衣の神の嘆きを如何か鎮めて……。貴女にしか頼めないの」
その言の葉に白夜は微笑んだ。それに彼女は微笑みそして白夜へと手を伸ばした。
そして光となり闇へと消えた。白夜は微笑み己の体を抱きしめた。
伝えなければならない言の葉が彼女にはあるのだとそう感じて。
その言の葉を私は明日告げねばならない。何故か眦からは涙が零れ落ちた。朝はもうすぐだった。




