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光は揺蕩う
白夜は夜空を見上げていた。空は何処までも黒く星が瞬き月はその姿を現してはいなかった。
独り白夜は物思ふ。何時かが在るのならばその終わりを想って……。
何時か終わることが選べるのなら人として終わりたい。そう白夜は願うのだ。
真異と心貴と共に生きていたい。そう思う心も偽りではない。
そしてまた死におちたい。人として終わりたいと願う心もまた真実なのだ。
どちらも選ぶことが出来得なかったのなら、そのときは私は選ぶのだろう。
人としてこの生を終えることを。永く長く白夜は生きたのだから。
人としては生きすぎた。もう充分だと言えるほどに。
ふわり微笑む。嬉しいのか哀しいのかそれすらもわからずに。
頬を伝う滴に白夜は気づくことはなかった。
見上げた空は今だ漆黒を纏い月がその姿を現すことはなかった。




