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暗闇の胎動 心貴視点


朝が訪れた。華原神社(かはらじんじゃ)のご神木の前で白夜(はくや)は舞うこととなった。


白夜(はくや)は白と赤に縁どられた衣を身にまとい持つ扇は裏が白く薄紅で睡蓮が描かれ表にはこちらも白く薄紫で藤の花が描かれていた。


白夜(はくや)がご神木の前に立ってから一刻ときは流れていた。白夜(はくや)の纏う色が変わった。


心貴(しんき)はかそけき声音でひそやかにでも確かに刻むように言の葉を紡ぐ。



「白きものよ。今はただ眠りしものよ。この声に応えるならば我らを今ひと時護りたまえ」



その言の葉に微かに応える声がした。そのことに心貴(しんき)は微かに笑みを零した。


舞がはじまる。それを見逃さぬように心貴(しんき)真異(まこと)の二人はその姿を見据えた。



軽やかに一歩踏みしめる。纏う空気はただ清らかに。


恋すら今だ知らぬ無垢な少女の如く舞い踊る。


扇の滑らせかたはたどたどしく


だけれど次第に芯を持っていき凛としていく。


ふわり微笑む。無垢な少女が今花開こうとしていた。


扇をかえそうとしたところで、それはおこった。



ぴきり。ぴきり……っ。パンッ。



現れたのは黒いただ黒い人の形をとった禍つ神。白夜(はくや)に迫ろうとしたそれの前に真異(まこと)は躍り出た。


それが自身に迫る前に真異(まこと)は手を振った。それに黒き神は苦しみのた打ち回る。


それでもなお白夜(はくや)に近づこうとするそれに真異は告げる。否定の言の葉を。



「愚かものめが。赦すと思うか?愛しき存在にそなたのような堕ちたるものが触れることを」



真異の姿は人の身をとっていた姿より髪が長くなり両手首に翡翠と黒曜石の腕輪をしている神の姿へと変じていた。そして真異(まこと)は手をもう一度振りおろした。


黒き禍つ神はそれに縫いとめられ跡形もなく崩れ去った。それを凍えた眼差しで真異(まこと)は見据えると興味を失ったのかもう一瞥することもなかった。


そしてその場にあらたな風が吹く。それに白夜(はくや)は微笑んだ。心貴(しんき)は言の葉を零す。



「これでこの地は清められました。後は眠りしものが目を覚ますのを待つだけですね」



その言の葉に白夜(はくや)は微笑み。真異(まこと)は苦笑した。


これにてこの一件は終わることとなる。経過を見ていくこととはなろうが鎮めるものは鎮めた。


そして三人は感謝の声に見送られ家路へとついたのであった。





次は後日談です。うまく書けれてればいいな。


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