ラースと遊ぼう。
ラース君に連れていかれたのは、謁見の間の片隅。つか、本当に端っこ。
でも、そこにあったのはどでかクッション。紺色でふかふかして気持ちよさそうだけど、布団3枚分くらいの大きさだよ。
ラース君はそのクッションにポフッと寝そべる。
いや、うん、わかってたけどね。君が大きいってことは。でも、こう、視覚的に捉えるとツッコミたくなるわけで…。
ラース君の体はバイソンよりも少し大きい。って、わかりづらいか。
じゃあ、牛。ホルスタインと比べると、1.5倍くらい大きいかな?
私なんか一口でいけるんじゃね?
だって、クッションの横に山盛りの生肉が用意されてるんだもん。これ、ラース君のおやつですよ。
クッションの側には小ぶりな椅子もあったけど、私用かな?
ラース君をクッション代わりにするから、いらないっちゃあいらないんだけど。
「ラーしゅくんあーん」
生肉を鷲掴みして、ラース君の口元に持っていく。
まぁ、貴族のお嬢様が生肉鷲掴みってどうよって思うけど、あっちの世界ではやってたし。もちろん、肉食系の動物を餌付けするために。
鳶や烏に生肉をちらつかせ、認識させてから投げると、たまにナイスキャッチしてくれる。
でも、気性の荒い子だと襲ってくるから、良い子は真似しないように。
ラース君は大人しく口を開けてくれた。その中に手を突っ込むと。
カプッ―――
そうなるわな。痛くないけど。だって、牙当たってないし。
周りがちょっと騒ついたけど気にしない。
手を引き抜くと、唾液でベトベト。
ラース君は上機嫌で咀嚼している。
どうしよう?とベトベトな手を眺めていると、侍女さんがおしぼりをくれた。
「ありあとー!」
気配り上手な侍女さんにお礼を言う。
しかし、侍女さんの顔色は血の気がなく、足はガクブルしている。
なんだかよくわからんが、具合悪いなら休んだ方がいいぞ。
ってなことを伝えたら、「もったいなきお言葉」とか言われて、めっちゃ恐縮された。
何でー???
ラース君の餌やりに満足すると、今度は肉球をフニフニ。
手で揉んでみたり、ほっぺたにスリスリしてみたり。ラース君はされるがまま、私の好きなようにさせてくれた。
けど、案の定、肉球は固かった…。
ま、予想はしてたけどね。
犬とかも成犬になると固くなるし。やっぱりNo.1は仔猫の肉球だな。あの、プニッとした感触はたまらん!
肉球の次は尻尾。
撫でまわしたり、ニギニギしたり。
そしたら、ラース君が尻尾でくすぐってきた。
露出は少ないんだけど、首んとことかほっぺた、ふくらはぎ。
なんかエロいよ!
尻尾の先でコショコショされて、私は笑い声を堪えるのに必死。ラース君のお腹に顔を埋めて、声を殺す。
ラース君が満足して、くすぐり攻撃を止めてくれたときには、私はぐったり。笑いすぎて疲れたよ。
明日筋肉痛になったら、どうしてくれる!!
疲れたせいか、なんか眠くなってきた。
ラース君のお腹をクッション代わりして、お昼寝タイム。
ふむ。お腹の程よい弾力といい、ぬくぬく感といい、最高級のクッションだな!!
ではでは、お休みなさーい。