なんか凄い会議をやるらしい。
本日、一回目の更新です。
今日は会議があるからと、なぜか正装に着替えさせられた。
私が着替える意味がわからん!
会議のあとに、お茶会でもあるのか?
「ねぇ、パウル。この衣装で本当にあってる?」
スピカが今日の衣装はこれですって持ってきたときから嫌な予感はしていたんだよねぇ。
「旦那様のご指示ですので」
鏡に映る自分を見て、超げんなりだよ。
頭の先から爪先まで真っ赤って、コーディネートもくそもないじゃん!
こういったはっきりした色は、ナイスバディな色気のある大人の女性にこそ着せるべきでしょうが!!
パパンも、なんでこんなドレスを用意するかな。
パパンのセンスのなさに絶望していたら、パパンがお迎えにきてその理由が判明した。
今日のパパンの衣装とお揃いだった……。
パパンよ。衣装で揃えるのはデザインの方の意匠であって、色まで合わせるととたんにダサくなるでしょ!!
ママンもパパンの暴走を止めてくれればよかったのに。
「ネマは今日もとても可愛いよ」
私が不機嫌なのを察知してか、パパンが即座に褒めてくる。
パパンは何を着ててもそう言うから当てにならない。
パパンに抱きかかえられて連れていかれた先は、いつぞやにロスラン計画の評議会を行った、宮殿で一番大きな議場だった。
すでに喧騒が聞こえており、そこそこの人数が集まっているみたいだ。
「今日はなんの会議があるの?」
「ヘリオスに関係のある国を集めたんだよ。ついでに、例の件も少し公開しようかと」
ということは、少国家群の主な国も来ているのか!
以前の協議は内容が内容なだけに、イクゥ国とミルマ国はお持ち帰りをしたんだよね。
その後もいろいろやり取りはあったみたいだけど、上手くまとまったようだ。
議場は以前と席の配置が変わっており、なんか既視感がある。
段状になっている席は席数が減っているし、陛下の席がある壇上は倍くらい広くなっていた。
国ごとに席は固められているようだが、ガシェ王国の席は最前列にあった。
すでにジーン兄ちゃんと部下と思われる三人が座っている。
「ユージン、早いな」
「楽しみにしてたからね。久しぶりに会える顔も多いし」
ジーン兄ちゃんは外務大臣として交友関係が広いので、挨拶回りをするために早めにきたのだろう。
「あ、そうだ。これ、ネマのお土産」
渡されたのは陶器でできた何か。
これ、なんか頭蓋骨に見えるんだが、違うよね?
「ベリノルの幸せを呼ぶ置物だ」
この頭蓋骨みたいなのが幸せを呼ぶ?不幸じゃなくて??
「ベリノル……そういえば、領地に戻っていたんだったな」
パパンがそう言うってことは、ベリノルはディルタ領の地名で、この置物はそこの民芸品なのだろう。
「いろいろと父上に押しつけることがあったから。僕たちもそうだけど、こちらの外交部も泣いていたぞ」
「お前たちの仕事だから仕方ない」
よく意味がわからないけど、パパンがジーン兄ちゃんに迷惑かけて、ジーン兄ちゃんはそれを愚痴っている感じのようだ。
そういえば、パパンはずっとライナス帝国にいるけど、国に戻らなくて平気なのかな?
「おとう様がこっちにいるから、みんな大変なの?」
「いや、デールがいないくらいどうにでもなる。我らが陛下なんかのびのびと公務をしておられるし」
それを聞いて舌打ちをするパパン。
「そんな顔するなら、デールが戻って、陛下がこちらにお越しになられても……」
「それは却下だ」
ジーン兄ちゃんの言葉にかぶせて、パパンは即座に断った。
まぁ、家族がみんなこちらにいる間は、パパンも戻らないよなぁ。
戻っても独りだと、パパン淋しくて泣くかもしれないし。
雑談をしている間に時間になったようで、全員着席を促される。
今回も進行役はゼアチルさんのようだ。
「陛下方がご入場されます」
その言葉とともに、議場にいた全員が席を立ち、各国の儀礼に基づいて礼を執る。
我が国は公用の礼一位だ。
この、オペを始めますポーズは見た目がコミカルなので、優雅に見せるのが大変で苦手なのに……。
「まずは皆様、楽にされてください」
……陛下の声だよね?
ゆっくりと顔を上げると、壇上にはなんとも凄い光景があって、しばらくポカーンとしてたと思う。
慌てて表情を引き締めた。たぶん、バレてないはず。
壇上に並び立つのは、陛下や殿下と呼ばれる身分の方ばかり。
ライナス帝国の皇帝陛下と皇后様、ミルマ国の女王陛下と王配様、獣王様にヴィ。あとご年配の知らない男性が一名。あそこに並んでいるってことは、どこかの国王様とかかな?
こうして見ると、ヴィはまだ貫禄が足りないなぁ。年齢的にも経験値的にも仕方ないけどさ。
ゼアチルさんが改めて、壇上の面々を紹介していく。
知らないおじいちゃんは創聖教のトップ、新しく総主祭になった人だった。
「では、本日の主題である、我がライナス帝国の元伯爵、フランティーナ・ヘリオスが大陸各地で起こした事件の詳細報告から始めます」
壇上とは別に設けられた演壇に、軍部の制服を着た風の精霊と仲良しなエルフ族の男性が立つ。
「わたくしはライナス帝国軍諜報部指揮官長のメロニファル・ジュダ・エディデュエラと申します」
交遊会や他種族交流会でお世話になったレイリウスさんの上司のようだ。
もう慣れてはきたとはいえ、やっぱりエルフの名前は発音しづらいなぁ。
まずは事件の背景から。
ヘリオス伯爵は幼少期の頃より、人がすべての種族の上に立つべきという至上派に通ずる思想を持っていた。
始めから捏造したことが出てきたけど、まぁしょうがない。
ロスランの生まれ変わりなんて公表できることじゃないし。
見習い神官であったカーリデュベル元総主祭を見出し、本格的に活動を始める。
カーリデュベルの心酔ぶりを見て、新興宗教みたいな組織を作ろうって思い立ったらしい。
このときヘリオス伯爵は、なんと十歳だったとか。
混血とはいえ、長寿種であるエルフ族の血を引き、長生きしたロスランの経験値があってこそだろう。
そういえば、ギィも孤児を集めて動き出したのは十一か十二そこらだったような?
ひょっとして私……本能を強くされた分、転生特典が使えず損してない!?
ヘリオス伯爵が少しずつ勢力を拡大しながら狙った国がイクゥ国だった。
鵬族の力を利用するため、かなり大胆に動いたとか。
国の中枢から獣人を排除し、自分の息のかかった者を送り込み、利害関係が一致する者たちと手を組み、ほぼほぼ乗っ取った状態に。
凄いのが、その間もミルマ国のソヌ族とも接触していたというから、ヘリオス伯爵の働きっぷりがよくわかる。
ソヌ族の洗脳魔法を手に入れてからは、もう加速するだけだ。
創聖教の総本山ファーシアを支配し、各国の教会に手先を送り込み、そこから貴族へと接触し、他種族との不和を広げていく。
ヘリオス伯爵の手先として、犯罪行為や諜報活動を行っていた者を構成員とし、情報提供や金銭援助等の支援を行っていた者を支援者と定義し、それらすべてを信者と呼び表していたようだ。
推定ではあるが、構成員の数は五千から八千、支援者の数は二千から三千くらいとのこと。
数字に幅があるのは、活動中に死んだ者も多いからだって。
さらに驚きなのが、直接的・間接的な被害者の数が、推定一万二千人ってことだ。
なぜに!?って思ったら、ドワーフ族の件もカウントされているようなので、それならこれくらいいくかもしれない。
あと、新興宗教にありがちな詐欺の事案もカウントされたよ。
「続きまして、外交部からの報告です」
「外交部政策室長のマレイ・ギルマンです。わたくしの方からは、各国に対する補償等についてご説明させていただきます」
先日の四ヶ国協議でも聞いた通り、主犯がライナス帝国の貴族だったことから、ライナス帝国が取りまとめて被害に遭った国、団体、個人に補償するという内容だった。
ヘリオス伯爵の拠点となったファーシアとイクゥ国は、ライナス帝国の次に過失が大きいとされたようだ。
ファーシアは補償金とお金以外の被害者支援でできることがあれば尽力する。
イクゥ国は大きな補償金額の捻出が難しいため、長期的な補償となった。
また、イクゥ国は今回の件を重く捉え、早急な政治体制の一新を約束した。
ミルマ国は先日の協議で聞いた内容と同じだったのが、ちょっと気になる。
ミイの実での食糧支援、いい案だと思ったんだけどなぁ。
ガシェ王国は補償対象国、被害者側ではあると認められた。
だけど、オスフェ家は補償対象になることを辞退したよ。その分、うちの国民の被害者に回してもらうつもり。
「新たに開設される『ルノハーク事後対策庁』について、ご説明いたします」
新しくできたこの組織は、ヘリオス伯爵が主導した事件すべての捜査を行う捜査室、残党の追跡・逮捕を行う追跡室、被害者や遺族への補償・支援を行う支援室といくつかの部署に分かれている。
そして、大陸すべての国に支部を置くようにするらしい。
予定では来年にはこの組織ができるとあるが、すべての国に支部を開設し終わるのは三巡はかかるだろうって。
働く人を募って教育したりするのにも時間がかかるもんね。
粗方の話が終わると、今度は質疑応答に入る。
たくさん手が上がり、たくさん質問が飛び出すけど、半分以上がお金のことだった。
みんな現金すぎやしないかい?
「補償は個人にも行われるとのことですが、被害者の国がまとめて受け取り、その国が責任を持って被害者に渡す方が効率よいと思われますが?」
確かに、これだけ被害が甚大で広域だと、国が個人に一つ一つ対応していたら大変だよね。人件費とか凄いことになりそうだし。
「その件は私が答えましょう」
陛下の答えは思ってもみなかったものだった。
ファーシアとイクゥ国には任命責任として上層部を罷免したのに、ライナス帝国だけ責任を取らないわけにはいかない。
ヘリオス伯爵を伯爵位に承認したのは陛下だが、陛下はまだ退位できないので、代わりに一人ひとり誠実に対応することにしたそうだ。
そのため、陛下直轄の組織が必要だということになり、ルノハーク事後対策庁の開設が早期に決まったんだって。
つまり、私が総辞職すればいいって言ったから、陛下に手間をかけさせることになったと……。
陛下……というか、陛下の下で働く皆様!仕事増やして申し訳ない!
「では、国自体に補償がされない国もあるということでしょうか?」
「少国家群の各国に対しては、一律で補償金をお渡しすることが決まっております」
陛下が答えたのはさっきの質問だけで、他は各部署の責任者が淀みなく答えていく。
ちょっと……いや、かなり飽きてきた。
なんか、会議に参加しているというより、国会中継を観ている感じなんだもん。
飽きたり、退屈するとやってくるあいつ。
半目になりながらも睡魔に耐えていたが、やっぱり勝てなかった。
ワッと上がる歓声に、びっくりして飛び起きた。
周りを見回すと、後ろの席の人たちがスタンディングオベーションをしているではないか。
「何事?」
「総主祭が、女神様がご降臨されたことを公表したんだよ」
あぁ、陛下が言っていたやつか。
一気に公表すると大陸中がパニックになるから、段階的にやるって。
多少落ちぶれたとはいえ、最初の一報を創聖教の総主祭が直接言えば、ある程度の信憑性を持たすことができる。
まぁ、神様の降臨まで伝えるかどうかは、意見が割れているみたいだけど。
歴史では神様が降臨した記録は残っていないし、神様降りてきたよーって言っても、嘘くさって思う人が大半だろう。
それならば、女神様を通じて、神様の神託を授かったとする方がよいのではという意見が出てきたわけだ。
ルクス様はどっちでもいいみたいだし、私は受け入れられる方を選ぶべきだと思っている。
こうして、大陸会議と銘打たれた会議は興奮冷めやらぬ中終わったわけだが、本当の会議はここからだった。
◆◆◆
大陸会議が終わって一段落……と言いたいところだけど、まだ一つ会議があるんだなぁ。
顔ぶれは変わっているけれど、前回の四ヶ国に、ファーシアの総主祭が加わった状態で、第一回ラーシア大陸主要国首脳会議が始まる。
ちなみに、今回は私は参加できない。
議題がヘリオス伯爵らの刑罰ということもあり、子供に関わらせるのはよくないと、陛下がお許しにならなかった。
それなのになぜ連れてこられたのかというと、パパンの精神安定剤兼暴走しないよう念押しするのと、お兄ちゃんにルクス様を預けるためだ。
「ネマ嬢」
会議が始まる前の時間、獣王様がわざわざこちらにやってきてくれる。
「ラルフリード殿、ネマ嬢、改めて礼を言う。ハオランの記憶は戻っていないが、番を認識できるようになった」
「……本当ですか!?」
これには私もお兄ちゃんもびっくり!
やっぱり、翼のふわふわさをアピールしたのがよかったのか?
番さんは急に大人になった自分の片割れに戸惑っているそうだが、時間とともに落ち着くだろうって。
「記憶は戻らないかもしれない。しかし、それがハオランにとってつらいものならば、思い出さなくてもいい。これから先、私とともにあるのであれば、また一から築けばいいと。そう思えたのだ」
ちゃんと番さんに認識されるようになって、獣王様の心も落ち着いてきたようだ。
「じゃあ、獣王様たちが帰る前に、またみんなで羽子板やりましょう!」
「そうだな。ハオランも少しは体を動かさないといけないし、ネマ嬢やダオルーグ殿下もご一緒なら楽しめるだろう」
獣王様と別れると、ミルマ国の女王様と王配様が挨拶にきてくれた。
さらわれたと聞いて、心配してくださったらしい。
「ネフェルティマはどうも大叔父様に通じるものがある。周りを思いやることを忘れないようにな」
王配様の大叔父って、曽祖父ちゃんか。
つか、王配様のお年的に、曽祖父ちゃんに会ったのってめっちゃ幼少期の頃だよね?
それなのに、似ていると判断できるくらい記憶に残っているってことは……曽祖父ちゃん、相変わらずやべぇ奴だな!
王配様から助言を受けたあとは、ジーン兄ちゃんが新しい総主祭を連れてきた。
「ティインガル猊下、こちらは我が国のオスフェ公爵家の嫡男ラルフリードと次女のネフェルティマです」
ジーン兄ちゃんが丁寧に接しているのを見て、こちらも姿勢を正す。
ジーン兄ちゃんが私たちに総主祭を紹介したあと、礼を執り、改めて名乗った。
「お嬢様は以前も女神様のご加護をお受けになったとか。二柱に愛されておられるがゆえでしょう」
この人は私が愛し子なのを知らないようだ。
ライナス帝国の貴族は名に誓っているので公言できないし、身の回りにエルフや精霊術師がいないと精霊から聞くことはできないので、知らなくても不思議じゃないけど。
女神様降臨を総主祭から発表させたし、私のことも伝えているもんだと思っていたよ。
「ティインガル猊下は中立派の方でね。神代聖教とも友誼を結びたいと仰ってくださったんだ」
おぉ!創聖教から冤罪をかけられて追放された神官たちで作ったやつか!
そういえば、あそこの教会の女神像にはディーもいるから、本物のディーを連れて見にいかなければ!!
「では、彼らの名誉も回復されるのでしょうか?」
お兄ちゃんの問いに、総主祭はもちろんと答えた。
前任のカーリデュベルによって、不当に扱われたのだからと。
少しずつではあるが、間違いなくいい方向へと変わっていってる!
まもなく会議を始めるということなので、お兄ちゃんにルクス様を預ける。
「おにい様、ルクス様をお願いね」
「任せて。僕はヴィルの側に控えるから、心配はいらないよ」
ルクス様の言葉は、ラース君を通じてヴィに伝えられるのかな?
「ラース君もお願いね」
――グルルゥ。
ラース君は尻尾をゆっくりと振った。
ラース君もルクス様の側にいられるのが嬉しいみたいだ。
尻尾に釣られて、尻尾をなでなでする。
本当に頭から尻尾の先まで、触りごたえのある毛並みで堪らん!
大きいときの、高級毛布に包み込まれるような感覚もよかったけど、生き物であることを実感できるこのサイズもやっぱり好きだ。
トラをにゃんこ扱いできるのも、日本では絶対に体験できないことだしね。
「ネマ、デールラントへの念押しを忘れるなよ?それが終わったら、さっさと部屋に戻って昼寝でもしていろ。お前が寝ている方が平和だからな」
酷い言われようである。
たぶん、居眠りしていたのが壇上からも見えたのだろう。
でも、確かに部屋に戻ったら寝るかも?
たくさんの大人に会うのって、結構疲れるんだよね。
「わかった!おかし食べてから寝る!!」
ヴィはそうしろと、私をパパンの方へ追いやる。
ヴィの言質は取ったから、多少食べ過ぎてもパウルに怒られることはないはず!
私はるんるん気分でパパンに念押しをしにいった。
ただ、パパンは意外と頑固だった。
冷静に判断するように言っても、のらりくらりと躱して、決して頷こうとはしない。
「ヘリオス伯爵の刑罰が甘くても、絶対に怒らない、魔法を使わないこと!」
「ネマを酷い目に遭わせた根源だ。そんな処罰にはさせないよ」
下手したら、私の方が言葉尻を捉えられそうだ。親バカも極まると厄介だな。
「いい、おとう様。私は、おとう様が娘かわいさにおろかになったとか言われたら……家出してしまいたくなるかもしれないわ!」
家出という言葉に、パパンはショックで固まってしまった。
「私は、残念なおとう様も好きだけど、かっこいいおとう様も大好きだよ。かっこいいとじまんできるおとう様でいて欲しいから、私と約束して!」
愛娘にここまで言われては、パパンも断れるまい!
「も、もちろんだとも!ネマの格好いいお父様でいるから、家出なんて誓って考えてはいけないよ?」
ふっふっふっ、かかったな。
パパンはしがみつくように私を抱きしめた。
ポンポンとパパンの背中を叩き、拘束を解いてもらう。
そして、私は小指を差し出しながら言う。
「それはおとう様しだいかな?私と約束できる?この会議では怒らないし、魔法も使わないって」
パパンは約束すると宣言してから指切りをしてくれた。
前世ではお馴染みの指切りだが、我が家では名に誓うことの次に重いものである。
とは言っても、口約束の部類なので、拘束力はない。
ペナルティも、家族との約束を破ったというメンタルダメージを受ける他に一つだけ。
「約束破ったら、ほっぺたペチンの刑だからね!」
そう。ビンタ一発が罰なのだから、針千本飲まされるよりずっと優しい。
「あと、おとう様がかっこよかったかは、ヴィやへいか、精霊さんたちにも聞くからね」
お兄ちゃんに聞くと、身内贔屓が入ってしまうかもしれないから、パパンよりも偉い人に聞くべきだろう。
陛下は同じ父親として採点が甘くなるかもしれないが、ヴィは腹黒なので、遠慮なく辛口採点すると思うし。
「わかったよ。殿下に格好よかったと言わせてみせようではないか」
あ……なんか変なスイッチを押したっぽい。
お姉ちゃんがヴィの婚約者候補に入っていたこととかもあって、何かとヴィを目の敵にしているんだよなぁ。
「うん、期待してる!」
さぁて、ミッションも終わったし、部屋に帰っておやつでも食べようっと。




