喧嘩を売られたのは私なのに……。
今日は朝ご飯を終えたら早々にお庭で遊ぶことにする。
いやー、食事が美味しい旅行はいいね。太らないためにも、いっぱい動いてエネルギーを消費しないと!
「遊ぶのはいいけど、怪我だけはしないようにね」
「はーい!」
お兄ちゃんとヴィは用事があるので、王城へ向かうことになっている。
ちなみに、ラース君に一緒に遊ばないかと誘ったら、ヴィのせいでフラれてしまったよ。
さすがにここではヴィの側を離れるわけにはいかないらしい。
ぶっちゃけ、ヴィは強いんだし、何かあっても一人で対処できそうなのにね。
お兄ちゃんとラース君、ついでにヴィのお見送りをしてから、魔物っ子たちを引き連れてお庭に出る。
「じゃあ、大きな鳥と知らない人が来たら、すぐに教えてね」
森鬼に見張りをお願いして、ショルダーバッグから稲穂を解放した。
「みんな、見えないところに行っちゃダメよ」
私が注意をしている間にみんな駆け出していってしまったのだが、ちゃんと聞こえていたかな?
まぁ、ノックスがついているので大丈夫だと思うけど。
さて、私は何をしようかなぁ……。
そうだ!新しいウォータースライダーでも考えよう!
陛下みたいに立ったまま颯爽と滑ることができれば、きっと楽しいはず。
そうと決まれば、サチェを呼びだそうとしたけど、出口となる水がない。
「海、お水を出してくれる?」
馬の姿で稲穂と一緒に駆け回っていた海を呼び止め、お庭に水溜まりを作ってもらう。
「サチェ、来る?」
海も期待しているようなので、大きな声でサチェを呼ぶ。
「サチェー!あっそびましょー!」
今日は先帝様と皇太后様はお出かけしないと朝食のときに言っていたので、サチェも離宮にいる。
水溜まりがぽこりと音を立てて膨らむと、シャワーのように水が飛び散りサチェ登場!
「サチェ、水の滑り台を作ろう!」
またかとでも言うように、サチェが目を細める。
しかし、サチェが他の反応を示すよりも先に、森鬼に声をかけられた。
「主、それはやめた方がいい」
やっぱり、他所様のお家で盛大な水遊びはダメか。
いくら聖獣の力を使って元に戻せるとはいえ、バレたらママンに説教されそうな気がしてきた。
ママンの説教は、身も心も凍っちゃうから恐ろしい!
それにしても……。
「森鬼がそんなふうに止めるのは珍しいね」
いつもなら呆れつつも止めないか、パウルに怒られても知らないぞと突き放すのに。
「パウルに何か言われた?」
「……別に」
怪しい……。
絶対に何か隠しているだろうとジト目で見上げても、森鬼は表情一つ変えない。
「森鬼、こっちに座って」
それならば、じっくり聞き出そうじゃないか!
主は私なのに、パウルの命令ばかり聞くのは納得いかないからね。
森鬼の手を引っ張り、庭に備えつけのテーブルセットに座らせる。私は正面に座って、さぁ話せと圧をかけた。
しばらく無言が続き、海とサチェが気持ちよさそうに駈歩で並んで走っているのが視界の隅に映る。
「……主の父親が、太王夫とやらの言動を調べろと」
確かに、私たち兄妹が生まれる前にミルマ国に婿入りした元王子が、私を名指しして招待する理由は不明だったもんね。パパンが疑うのもわかるけど、パパンなら自分の使用人たちを使って調べることもできたのでは?
「それから、パウルから他の王族もすべて調べろと言われた」
ふむふむ。パウルも独自に何か情報を掴んだのかもしれない。
「…………」
「それだけ?」
これだけで、森鬼の言動が変わるだろうか?
さぁ、もっと吐け!とテーブルの上に身を乗り出した。
森鬼はため息を超えて、肺の空気を全部吐き出すくらいの深く何かを吐き出した。
「女王側の者たちが、ガシェ王国の王族を疑っている」
あ、なるほど。深いため息の理由がわかった。
権力争いとか、人間のいざこざが面倒臭いのね。
「疑っているって何を?」
「太王夫とやらが主に興味を持っているのは間違いない。こちらの王子といい雰囲気になればと言っていたな」
おう。我が国の元王子は何を考えているんだ?
「王配という奴も、太王夫に賛同している」
「さすがに王弟様は理由があってのことでしょう?」
そうだと信じたい。でないと、我が国の王族が阿呆だと言われるじゃないか!
「娘の治世を心配していた。娘が女王になるとき、ミルマ国は聖獣の契約者に挟まれることになるからと」
あぁ。今回、立太子される王女が王位に就く頃には、ヴィも王様になっているかもしれないし、ライナス帝国は代々聖獣と契約した者が帝位に就くので、確かに挟まれちゃうね。
つまり、両国の国主と比べると見劣りすると思われるんじゃないかって心配しているってことか。
しかも、ミルマ国には現在、聖獣の契約者がいないからなおさらだろう。
王弟様は、ソルと契約している私はミルマ国に嫁ぐことによって、そういった不満を解消するつもりなんだと思う。
「それで、女王様側の人たちは何を疑っているの?」
「ガシェ王国による乗っ取りだ」
ははーん。
薄いとは言え、私にも王族の血が流れているし、すでに二代続けて王弟が婿入りしているもんね。後ろ盾とかなんとか言って、国政に口出ししてくるんじゃないかって疑うのもわかる気がする。
「でも、サチェと遊ぶのを止めたことと、どう関係があるのかわからない」
「パウルは、このままミルマの王族が互いに勘違いをしている状態を保ちたいそうだ。だから、ラース殿以外の聖獣と仲がいいことは隠せと」
ラース君はいいのか……。契約者がヴィだからかな? 不本意だけど、ヴィと仲良しだから、ラース君が気にかけてくれているって言い訳ができるしね。
「だけど、パウルはなぜそのことを私に言わなかったんだろう?」
「主に遊ぶなと言ったら、俺からも隠れて遊ぼうとするからだと思うぞ」
うん。信用ないね、私!
大まかなことは理解できた。
しかし!今、ここなら人目を気にすることはない!
「サチェー!お話は終わったから、遊びましょー!」
ミルマ国の人にバレなければ、サチェとカイディーテとも遊んでも問題なし!
「主、お腹空いた……」
サチェと遊ぼうとしたけど、海が空腹を満たすためのもふもふタイムが先のようだ。
ミルマ国にいる間は、私以外から欲を食べるのを禁止されている海なので、いつもより食事の回数が減っている。
サチェが気を利かせて腹這いになってくれたので、私はサチェに寄りかかって足を伸ばす。
しかも、サチェは翼で陽を遮ってくれたので、水中から陽の光を見ているような柔らかい煌めきに包まれた。
「海、おいで」
太ももをポンポンと叩いて、ここに頭を乗せろと指示をする。
手元には海の究極サラサラヘアー!背中にはサチェのウォータークッション!
もうこれだけで、私のもふもふ欲はマックスだよ!!
海の鼻梁を撫でると、海はうっとりと目をつぶる。人型のときも凄い美少年な海だけど、馬のときもとても美しい。
まつげは長いし、お目めはキラキラ。鬣と尻尾は言わずもがな。
あと、私の推しポイントは、獣舎の軍馬たちにも負けないくらい、綺麗についている筋肉だ!特に後脚のお尻や股の筋肉がいいんだよねぇ。
ちなみに、サチェとユーシェは筋肉の感触がない。
不思議なんだけど、どこを触っても似たような感触がする。部位によって多少柔らかさが違ったりするけど、鬣も翼もお尻もやっぱりお水なんだよなぁ……。
◆◆◆
翌日――。
私はなぜかもりもりにおめかしされて、王城のとある一角にいる。
「こちらのお菓子はお口に合いまして?」
一口サイズの点心もどきが目の前に並んでいた。花の形、動物の形、なんとも形容しがたたい複雑な形と、食べるのがもったいないと思ってしまうほど卓越した技巧で作られている。
「もちろんですわ。この繊細な甘さは、我が国では再現できないと思います」
お姉ちゃんがにこやかに返す。
この点心もどきの中身は、あんこに似た何かだった。程よい甘さと滑らかな舌触り、あんを包む技術。すぐに再現しろと言われても、難しいだろうね。
「ラルフリード様は、お姉様とお会いしたのでしたね。いかがでしたか?」
「次期女王として相応しい、品性と覚悟を持った素晴らしいお方でした」
なぜ私がこんな場面に遭遇しているかというと、めちゃくちゃ唐突に、ミルマ国の第二王女様と第三王女様からお茶会に招待されたのだ。
しかも、私たち兄妹全員が!
ちなみに、昨日、お兄ちゃんとヴィがお出かけしていたのは、第一王女様との会食があったからだと聞いた。
「ラルフリード様にお褒めいただけるなんて、お姉様が羨ましいですわ」
先ほどから、第三王女様はお兄ちゃんをヨイショしまくっていて、ちょっと意図が読めない。
森鬼から聞いた例の件もあるので、私の方がいろいろと疑ってしまう。
一応、この二人のうちどちらかが、ガシェ王国に嫁ぐことになっているらしいが、第三王女様はお兄ちゃんを狙っているのかな?
「では、ラルフリード様から見て、ヴィル兄様はいかがですの?」
第二王女様はヴィのことを聞きたがるので、ヴィ狙いだと仮定する。実は、現在進行形で姉妹間抗争が行われていたりして……。
それとも、乗っ取られるくらいなら逆に乗っ取っちゃおう作戦とか?
第二、第三王女様がヴィとお兄ちゃんに嫁いだ場合、ガシェ王国にそこそこ影響を与えることはできると思う。
そこそこ止まりなのは、王家とオスフェ家を掌握しても他の公爵家が黙っていないし、すぐにミルマ国を切り離すんじゃないかなぁって。
「ヴィルは希代の名君になると思っていますよ。彼にはその資質があるし、努力もしていますから」
お兄ちゃん、それは認識が間違っている!ヴィは腹黒鬼畜陰険エトセトラ王子だよ!
ヴィは褒めても謙遜なんかせずに、そうだろうってニヤニヤする俺様属性も持っているんだから!!
「妹君はラルフリード様の見解に不服なのかしら?」
どうやら、ヴィを褒めるお兄ちゃんに驚いていたところを見られてしまったようだ。失敗、失敗。
「殿下は、わたくしたちに王族らしい振る舞いをお見せにならないので、きっと知らない一面を聞いて驚いたのでしょう」
お姉ちゃんのフォローと言うよりは、攻撃に近い言葉が放たれた。
まぁ、ヴィの王子様らしい姿なんて、行事のときくらいしか見たことないような……。
「確かに、ヴィル兄様は懐に入れた者には甘くなりますものね。一国の王太子としていかがなものかと、わたくしは常々思っておりまして」
この第二王女様の、ヴィと仲いいんだよアピールが鬱陶しい。
いや。従妹という関係性を考えると、本当に仲がいいかもしれないけどさ。
ただ、第二王女様の口から語られるヴィがヴィじゃないんだよね。まだ、ライナス帝国の皇族たちの方がヴィを理解していると思うぞ。
「そういえば、なぜ妹君の方がヴィル兄様の色を身につけているの?さすがに不敬ではなくて?」
第三王女様の言葉に、私は見事に固まった。
だって、今日の衣装もすべてお姉ちゃんの見立てによるものだ。
紫の生地に白の刺繍、中のスカートと髪飾りは濃い青。言われて気づいたけど、ヴィの色じゃないか!!
「殿下には、ネマのことを大変可愛がっていただいてまして。本日の衣装も殿下が贈ってくださいましたの」
ふふふっと勝者の笑みを浮かべるお姉ちゃん。
お姉ちゃんが天敵であるヴィの色を私に着せるってことは、王女様たちの方が倒すべき敵だと認識したってこと?それとも、パウルに何か言われたのかも?
ヴィがこの衣装を贈ってくれたかどうかは置いといて、今、私はどういう立場に立たされているのだろうか?
「まぁ!ヴィル兄様ってば、お優しいこと!」
第二王女様は笑みを崩しはしなかったけど、口角が若干引きつっているようにも見える。
「そうそう。贈り物と言えば、わたくしも皆様にご用意いたしましたの」
第二王女様が控えていた使用人に目配せすると、テーブルにそれが配膳された。
スプーンの上にちょこんと載っている真珠のようなもの。
第二王女様曰く、凄く珍しい植物の豆をお菓子にしたものなんだとか。ヴィも食べたことあるとかなんとか続いていたけど、まったく頭に入ってこない。
「そんな希少なものをありがとうございます」
お兄ちゃんが代表してお礼を言い、スプーンを口に運ぶ。
それを見届けてから、私とお姉ちゃんもスプーンに手を伸ばした。
それにしても、綺麗な球体で真珠光沢がある豆をつける植物の方が気になる。王城で育てていたりしないかな?
なんて思いながら、豆を口に入れようとしたそのとき。
「ネマ、食べないでね」
お兄ちゃんに止められた。言葉だけじゃなく、腕も掴んでだ。
「どうして?」
「ネマ、お兄様の言う通りよ。これは、ネマには毒になるものだわ」
お姉ちゃんの魔力がブワッと熱を伴ってあふれ出している。
「確かにこれは希少なもののようですね。魔力を急激に増幅させる作用があるのですから」
「ネマの魔力量が少ないことを知っていて、わざと食べさせようとしたのですか?」
お兄ちゃんとお姉ちゃんに追及され、第二王女はそんなこと知るわけないと叫ぶ。
「しかし、魔力操作が未熟な子供に食べさせていいものではないですよね。ネマの魔力量が普通だったとしたら、暴走を起こしていたでしょう。それを狙っていたのではないですか?」
お兄ちゃんの指摘を聞いて、私も少し状況が読めた。
立太子の式典を前にこの国の王女を危険にさらしたとなれば、オスフェ家だけでなく、ガシェ王国自体が批難されかねない。
つまり、ミルマ国はガシェ王国の弱みを握ることになる。
「そ、そんなことしないわよ!公爵家の幼子を狙って何になるの?わたくしたちは、ミルマ国の王女なのよ!」
「話をすり替えないでください。貴女たちが狙ったのは、ネマが王女殿下を危険な目に遭わせたという状況でしょう?」
さらに王女様たちを追い詰めようとしているのか、お兄ちゃんの体から冷気が出始める。
そして、部屋の中なのに突風まで出現した瞬間、大きな音が響いた。
びっくりして体が浮いた気がする。心臓に悪い驚かし方はやめてくれ!
大きな音の正体は、部屋の扉が破壊された音だった。
「……ラース君?」
木っ端微塵になった扉の残骸の上に、ゆったりと尻尾を揺らすラース君の姿が……。
「派手にやるなと言ったであろうが!」
「扉以外壊していないのだから、派手ではないだろう?」
ラース君の後方には、楚々とした美少女とヴィがいた。
「それにしても、ほんにやるとは……。姉として情けない」
お兄ちゃんの冷気に怯える二人の王女を見やり、美少女は憂いた。
この方が、第一王女様のようだ。
他人のことを言える立場ではないが、この三姉妹、全然似ていないな!
第二王女様の方がお姉さんに見えるくらい、第一王女様は幼い顔つきをしている。アジア系は若く見えちゃうとしても、顔の系統は姉妹同じなのに……。
「ネマに手を出すことがどういうことなのか理解できなかったのだとしたら、教育が足りなかったんじゃないか?」
ヴィは意地の悪い顔で美少女に問う。
「招待した賓客の情報は叩き込んでおる。オスフェ公爵家の娘御二人に何かあれば、世話をしているライナス帝国が黙っていないと申したであろう!」
美少女はしっかりと教えたと反論しつつも、二人の王女に怒気を飛ばす。
一応、保護者である両親も一緒だし、我が家の護衛たちもいるので、この国で何か起きてもライナス帝国が責任を問われることはないはずなんだけど。まぁ、面目を潰されたと怒ることはあるかも。
「此度のことは陛下に報告する。お前たちは沙汰があるまで謹慎せよ」
「お母様へ告げ口するのですか!?」
「黙れっ!お前たちがしたことは度が過ぎているのだ。それとも、我が国を滅ぼしたいのか?」
「なぜそんな話になるのです!!」
面目を保つためにライナス帝国がミルマ国を滅ぼすなんてことはないし、ガシェ王国もそんなことしないと思う。
我が国に関しては、パパンがいるので断言できないけどさ。
そんな姉妹の言い争いを観察していると、私はあることに気づいた。
第一王女様はぱっちり二重で、第二王女様は切れ長一重だということに!
謎が解けてスッキリした私はラース君へ突撃する。
「ヴィ、結局この騒ぎはなんなの?」
ラース君の隣に、ちょうどヴィが立っていたので聞いてみる。
ヴィの色の衣装が用意されていたことから、こういう騒動が起こることは想定内だったんだよね?
「ちょうどいい機会だから、二人を試させてもらっただけだ」
「試す?」
「ガシェ王国の王妃、オスフェ公爵夫人に相応しいかどうかをな」
「……ほんと、ヴィは意地悪だよね」
試すにしろ、他に方法があっただろうに。ちょっと王女様たちに同情してしまう。
「まったくですわ。ネマを可愛がっているのは殿下でなく聖獣様ですのに!」
お姉ちゃん、突っ込むところはそこなのか!
「そうだね。さすがにこの衣装はいただけないなぁ。父上に見つかる前に着替えさせないと、ヴィルの命も危ないよ」
「お前たち……俺へのいい加減な扱いは王宮だけにしとけよ」
王子が臣下になめられていると知られたら、ヴィの威厳がなくなっちゃうもんねぇ。
こうして王女様二人は、旦那候補だったヴィとお兄ちゃんに相応しくない認定され、さらにはお姉ちゃんにあれはないと言われてしまったので、我が国に嫁ぐのは絶望的とみた。
第一王女様に散々怒られた第二、第三王女様は、涙を浮かべながら私に謝罪する。
お兄ちゃんのおかげで私に被害はなかったし、その謝罪を受け入れようとしたら第一王女様に止められてしまった。
「陛下がどう処罰するのかを聞いてからの方がよい」
第一王女様は、親が子供に甘いのはお約束だと笑う。だけど、その表情は絶対にないと確信しているものだった。
女王としても、母親としても信頼し、尊敬していることが窺える。
それならばと、この場は保留ということにしたのだが、私は閃いた!
女王陛下にまで話が行くのなら、いろいろと面倒臭いことがくっついてくるよね?
「ヴィに任せちゃダメですか?」
だから、その面倒臭いことは、使節団の責任者であるヴィに丸投げしちゃえと!
まぁ、パパンでもいいけど。
「ネフェルティマ嬢がそうしたいのであれば、それでも構わない」
第一王女様から承諾を得られたので、あとのことはよろしく!っとヴィに押しつけた。
「この貸しは高くつくからな」
デコピンとともにそう言われ、ちょっと人選を誤ったかもしれないと後悔した。
やっぱり、パパンにお願いするべきだったか……。
いつもはヴィを振り回しているネマですが、今回はヴィの手のひらの上でした(笑)