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この展開は聞いてない!

アスディロンの3つある大陸の中で、一番大きなラーシア大陸にあるガシェ王国。王家に連なる血筋のオスフェ公爵家に第三子の女の子が産まれた。

ネフェルティマと名付けられ、現在生後10日目。


あっれー?

赤ちゃんになってんだけど??

産まれたばっかりで自我があるってどうよ。嫌がらせの羞恥プレイか、これは!誰が喜ぶんだよ!

って、あいつかっ!!


目を覚ましたとき、体が動かないのと、目の前に超絶美人さんがいてビックリしたよ。

美人さんはお母さんで、お父さんもテライケメン。ちょっと経ってお兄ちゃんとお姉ちゃんがいることわかったけど、二人とも両親にそっくりなイケメンと美人だった。


そういや、前世?の両親と姉兄は元気かな?

実家を出て、東京で一人暮らししてたんだけど、まさかの孤独死だもんな。兄弟の中で一番健康体だった私が真っ先に死んじゃったから、ビックリしただろうな。なんせ、27年間大きな病気も怪我もなく、インフルエンザにすらかかったことなかったし。

親不孝な娘ですんません。あの世で会えるのはもー少し先になりそうなんで、待っててね。


んで、10日かけて集めた情報が、赤ちゃんになってたことと、名前がネフェルティマに決まったことと、お家が公爵家だってことかな。


そんな無駄設定いらんがな。

赤ちゃんだともふもふできないじゃないか!!


と思ってたら、お家にワンコいました。

ボルゾイ並みにでっかくて、狼みたいにゴツイ白い子がボディーガードみたいについてくれてた。

名前はディー。私が愚図ったときは尻尾でもふもふしてくれるよ!


食って寝て甘えるだけの赤ちゃん生活…憧れてたニート生活じゃないか!?

ふむ。そう考えると、赤ちゃん生活も捨てたもんじゃないな。


なーんて、まったりしてたら、ハイハイできるようになったぜぃ!

そしたらディーがますます過保護になったぜぃ。

うろちょろしすぎると、動物の赤ちゃんよろしく、首んとこ咥えられて連れ戻される。


神様から貰ったもふもふ能力、マジ癒される。

首がすわったら、お庭にお散歩連れてってもらったんだが…羽毛に埋れた。

ダジャレとか比喩じゃなく、いろんな鳥に群がられ、息ができなくて大変だった。

お母さんもビックリだよ。


流石に転生したばっかりなのに窒息死とか嫌すぎるので、鳥さんたちには『程々に』と心ん中でお願いしたら通じました。


ほんと、素敵な力をありがとう神様!

それだけは感謝するよ!


でも、贅沢言うなら、公爵家じゃなく平民がよかったです。

そしたら、人間と関わらず、森とかに引きこもりしそうだと思われたんだろな。全くその通りだがな!


赤ちゃんライフを思う存分満喫してたら、結構成長してた。

子供の成長って、本当に早いんだね。

そろそろたっちとか出来るんじゃないかなーっと思ってやってみたら、思いっきり後頭部を強打するハメになった。

あまりの痛さに大泣き…というか恐竜みたいな泣き声を出してしまった。

小さな体でも、あれだけ大きな声出せるもんなんだね。子供って不思議だ。


事態を重くみたディーが、誰かを連れてきた。

涙でぼやけた視界だが、抱き上げられた感じからお兄ちゃんと判明。

こういうときって、呼ぶのは母親じゃないのか?


「ネマ、どこか怪我したの?」


そう言って、私の体を丁寧に撫で回すお兄ちゃん。

羞恥心なんて、赤ちゃん生活でもうすり減ってないに等しいから気にしない。

お兄ちゃんが後頭部のたんこぶに気がつくと、そこを何度もなでなでしてくれた。

すると痛みが少しずつ引いていくから不思議だ。

痛みが気にならないくらいになると、今度は眠気に襲われる。


「抱っこしててあげるから、眠ってもいいよ。無茶をするときは、誰かが側にいるときにしようね」


あー、そうですね。

ちゃんと立てるようになるまで、たっちの練習は介助してくれる人がいるときにします。



そして、リベンジ!

しかし、何でこうもバランスが取り辛いんだ、赤ちゃんの体!!

産まれたての仔羊のように、脚がプルプルするよー。

でも、頑張るんだ!

たっちできたら、ディーの背中に乗ることもできるかもしれない!!


プルプルする脚を頑張って踏ん張る。

側ではお母さんとディーが固唾をのんで見守っている。


どりゃぁぁぁっと気合いを入れて立ったら、バランス取れず前につんのめる。

今度は顔面強打かぁぁぁ!!

と、べちゃっと絨毯とキスをする自分が見えた。

しかし、救いの救世主が床にダイブする前に助けてくれたので、キスをしたのはディーのもふもふ。

あぁ、このもふもふ、お日様の匂い。癒される。


「だー」


んー、上手くディーと発音できない。ま、赤ちゃんだから仕方ないか。


「ネマちゃんは本当にディーのことが好きなのね。お母さん、嫉妬しちゃうわ」


と、お母さんが淋し気にするので、

「まんま」

と言って甘えとく。


お母さん、貴族なのに乳母任せにせず、できる限り自分で子育てしてるんだ。

すっごい魔法使い?魔術師??らしくて、たまに王宮にお仕事に行っちゃうけどね。

お母さんがいない日はお父さんが子守。子守っていうか、私がお父さんのお守りしてる。いろいろと残念過ぎるパパンです。


そうそう、ファンタジーのお約束、魔法あったよ!

お兄ちゃんに撫でてもらうと痛くなくなるのも、治癒魔法だった。

でも、私には魔力がほとんどないとかで、魔法は使えないかも。

まぁ、変に力があっても、めんどくさいことに巻き込まれそうなんで良しとしよう。



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