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サファリパァーク♪ その1

何か思ってたより長くなっちゃったので、前後に分けます。

本当に今回はネマがもふもふしてるだけの話なので、ヤマもなければオチもないです。

まぁ、いつものことなんですが(笑)


見直す時間が余り取れなかったので、誤字脱字やわかりにくい部分があれば容赦なくツッコミお願い致しますm(_ _)m

ワズの群をあとにして、草原を駆ける。

馬の上って結構揺れるんだね。お尻痛くなったらどうしよう?


なーんて思ってる間に、ターゲット発見!

…牛の群?

うん。一種類は牛だね。角からして水牛ってやつ?

でも、もう一種類はなんだ??


「ありぇなぁーに?」


「小さい方がランドブルって言って、この大陸にしかいない牛だ。大きい方はホーンヘッド。やつらは気性が荒いから、戦向きなんだ」


ランドブルは荷物を運ぶのが役割なんだって。性格は温厚で、飼育も難しくないから、農村とかでは畑を耕す労力として飼われてるらしい。なんだ、やっぱり水牛じゃん。

ホーンヘッドは角が凄く奇抜だ。

角はT字型で横線が入っている。角と同じものが、頭のてっぺんから上唇までの鼻筋を覆っていて、それに沿って耳と目、鼻の穴両側に並んでいる。

大きさは角まで入れると3mはあるんじゃないかな?角を除けば、ラース君と同じくらいだな。


「ちかくでみゆー!」


「大丈夫だと思うが、あんまし刺激すんじゃねーぞ?」


ふふん。私は学習したもんね。

呼んでから触ればいいだもん。


ランドブルの子たちはみんな優しい目をしてる。優しくて力持ちって、モテ要素だね!

餌の質がいいのか毛艶がよくて、肌触りのいいブランケットみたいだ。

その毛艶を堪能してたら、一頭が近よって来て、私の顔をベロンと舐めた。

ちょっ、涎、ヨダレ!!唾液の量多いよ!私の顔、ベッチョリしてるよ!!

見かねたレスティンがハンカチで拭いてくれたからいいけどさ。

不貞腐れていると、舐めてきた子がブモォって鳴いた。

ん?親愛の印だって?そういうことなら受け取ってやろう!


ランドブルと戯れていると、興味を惹かれたのかホーンヘッドたちも集まってきた。

おっ?お兄さん、いい毛皮してるね!

ポフッと顔ごと毛皮に埋めてみる。

あ、臭くない。干し草とか稲刈りしたあとの田んぼの匂いだ。

毛並みも気持ちいい!毛糸みたい。あ、でもウールじゃなくてアクリルだね。


角も触りたい!でも手が届かない!!

お預けか?ここまできてお預けなのか!?

ホーンヘッドにしゃがんでもらうってのも手だけど、この子たちの体重だと結構脚に負担がかかりそう。

んー、困った。


すると、手が届かないことを理解したのか、ホーンヘッドが首を下げてくれた。

そうだよね!草を食べるんだから、口元は地面まで届くよね!!


模様かと思った横線は、角が段々になってたからそう見えてたんだ。

角自体はツルツルしてる。

ただ、どっかで触ったことある感触だ。なんだっけ?

あー、出てきそうで出てこない!!

思い出すまで、なでなで。んー、なでなで。まだまだ、なでなで。

………思い出した!!

百日紅(サルスベリ)だ!!

はースッキリした。


「ブゴォォォォー!!」


撫でていた子が突然、重低音な雄叫びを上げた。


「ほぇ???」


「危ないっ!!」


予想もしなかった豹変について行けず、荒々しくなったホーンヘッドの前で動けなかった。

ホーンヘッドが後ろ立ちすると同時に、私はすくい上げられ後ろにポーンっと放られた。


うぇぇぇぇーーー!!??


一瞬、ホーンヘッドの角にでも引っかかってそうなったのかと思ったが、着地点はダンさんの腕の中。

状況がわからずに目を白黒させていると、ホーンヘッドが別のホーンヘッドに突進して行く所だった。


ガシンッ―――


木と木がぶつかるような音がして、ホーンヘッドが互いの角で攻撃し合っていた。


「だからあんまし刺激すんなって言ったろ?」


えーっと、どういうこと?

訳がわかんなーいって顔をしていたら、レスティンに呆れられた。


「知らなかったんですね。ホーンヘッドは角を触ると興奮するんですよ。彼らの求愛行動が、角を擦り付け合うためだと言われてますが」


「で、興奮したときや優劣を決めるときなんかに、ああして角を突き付けるんだ。ホーンヘッドは力社会だからな。雄も雌も関係ないらしい」


ほへー。意外な生態だな。雄が交戦的な動物は多いけど、雌もって凄いな!


てかね、ホーンヘッドはいいとして…。


「レしゅしゃんがなげたぁぁぁ!」


私を投げた犯人はレスティンでした。


「乱暴だったのはすみません。でも、僕が間に合わなければ、踏み潰されてましたよ?」


って笑顔で言われてもな!悪いと思ってないだろ!!

やっぱり腹黒か?腹黒キャラなのか、お前は!!


拗ねている私にヒューが近づいてきて、唇でほっぺたをはむはむしてくれた。

慰めてくれるの?やっぱり君は白馬の王子様だね!

私には、もふもふやなでなでさせてくれる子がいっぱいいるからいいもんね。


紳士なヒューに癒され、次のターゲットを探しに行くことにする。

ランドブルとホーンヘッドにばいばーいと別れを告げた。

すると、ブモォー、フゴォーって一斉に鳴いた。30頭くらいが同時に鳴くもんだから、迫力がハンパない。

でも、また来いよーって感じで、ちょっと嬉しい。


今度は対策をしっかり練って、ホーンヘッドの角を触りに来よう。あの感触はクセになる。


カッポカッポとのんびり馬を歩かせてしばらく。ターゲットを発見!


まったりしながら、草を食んでいる二頭のサイ。

角があっちのサイより少し長いってくらいしか違いがない。


「しゃイだー!」


「彼らは繊細で臆病な性格なので、遠くから見るだけにしましょうね」


ガーン!なでなで禁止!?

よし、こうなったら呼ん……じゃあダメなんですね。

レスティン隊長の目が恐いデス。


「いい子ですね。では、ネフェルティマ様にサイにまつわるお話をしてあげましょう」


こちらの世界ではサイは生きる伝説って呼ばれてるんだって。

サイの角は、調合次第で万能薬にもなるし、武器の材料としても、高価な調度品としても価値があるらしく、狩人(ハンター)たちにとっては一攫千金な獲物として有名らしい。

だけど、目撃情報や遭遇談は数あれど、サイを捕獲または狩ったという話はここ何十年で3件ほど。

彼らは臆病ゆえに人間がいるとすぐに逃げ出してしまうのと、生息地が精霊の住処と呼ばれる魔法が使えない場所のため、そうなったと。


ちなみに、ここにいるサイたちは全て、ここで生まれ育ったんだって。

初代の王様の騎獣がサイで、遠征したときに雌のサイが王様のサイと(つがい)になり、その子供たちを試行錯誤して増やしたんだと。

しかも、その増やし方がちょっと変わってる。

王宮関係者に聖獣の主がいるときだけ、繁殖期の雌を精霊の住処に放すんだって。

精霊の住処ではどの魔法も使えないから、聖獣経由で精霊に監視を頼み、妊娠したら連れ戻す。すると、もれなく番になった雄もついてくるという。

…美人局みたいだなんて言わないよ!


けどさぁ、王様の騎獣がサイって、ヴィジュアル的にどうよ。

初代の王様って変わった人だったんだろうね。


結局触れなかったサイに後ろ髪を引かれつつも、別の動物を探して馬を進めることに。


おっことぬしがいる!!

あ、違った。種類?としては猪神だ。

某アニメに出てくるような、でっかい猪が穴掘ってるよ!

つか、なぜに穴?まさかの落とし穴ってやつか!?


「ありぇなにしゅてゆのー?」


ちょっと穴が衝撃だったもんで、呂律が怪しくなってしまった。


「ん?ジャイアントボアか…餌探してんだろ」


いや、うん。そうだろうね。

説明になってないから!!


「土の中にいるミミズとかを、ああやって探しているんですよ」


そうそう。こういった答えが聞きたかったんだよ、ダンさん。


にしてもダイナミックなご飯の仕方だな。

あ、ご飯中か…。んーご飯中を邪魔するのもな。

どうしよっかなぁって考えてたら、向こうがこちらに気づき、ブヒブヒッて鳴く。

あ、鳴き声はブタなんだ。大きいから、ブタよりは低いけど、やっぱりブヒなんだね。


「あぁ、見つかってしまいましたね」


レスティンが苦笑混じりで呟いたんだけど、見つかっちゃマズいの?

でも、ジャイアントボアは動きそうにない。

ジッと見つめていると、ジャイアントボアの後ろから何かが物凄い勢いで近づいてくるではないか!

ドドドーーーって音と一緒に、ようやく認識できたのは…なーんだウリ坊じゃん。

目が血走ったすっごい顔になってるけど、大きさがブタの成体くらいあるけどウリ坊ダネ!


ちょっと待ったぁぁ!ストォォォップ!!


心の中で盛大に叫んだ。

ウリ坊たちは急ブレーキをかけたときみたいに、慣性の法則でズズズッと前に滑る。

そういうマンガ的なこともできちゃうなんて、君たち何者?


でっかいウリ坊が五匹…。あのまま突っ込まれたらたまったもんじゃない。

それこそマンガみたいにポーンっと遠くまで吹っ飛ばされてしまう。


ブヒブヒ!ブヒブヒ!!

遊べーあそべーって襲いかかってくる。

いやいや、こんなおしくらまんじゅうじゃ遊べないから!

私だけじゃなく、ダンさんもレスティンも被害に合ってる。


へ…ヘルプミー!この子たちのお母さーん!!


プリップリのお尻が迫ってくるし、服は鼻水や涎で汚れちゃうし、ほっぺたに当たる毛がチクチクして痛い。

もはや、なでなでできる状態ですらない。


ウリ坊に挟まれ、あっぷあっぷしていると、ヒヒーンッと力強い(いなな)きが聞こえた。

すると、ウリ坊たちは馬にビックリして、来たときと同じ勢いで母親のジャイアントボアの所まで戻っていった。

…なんだったんだ一体…。


「ワズ、ありがとう。助かったよ」


レスティンがワズを労う声がした。

そうか、ワズが助けてくれたのか。

ヒューも心配そうに私の側に来てくれる。

おっと、ちょっと腰抜けた。

嵐みたいな子たちだったね。


「あいつらに見つかったのは災難だったな」


「ジャイアントボアの子供たちはとても好奇心旺盛で、人間は遊んでくれるからと見つけたら突進してくるんですよ。それで毎年負傷者が出てしまって…」


遊び相手して負傷って、どこまでワイルドな職場なんだ!


とりあえず、レスティンに魔法でキレイにしてもらい、ちょっとした高台の所で一休み。

獣舎の食堂のコックさんに作ってもらったサンドイッチでお腹を満たす。

こっちではパラスって言うんだけど、パンで挟んだ物っていう意味での括りだから、ホットドックもサンドイッチもパラスなんだよ。

具材は香味の利いた鳥肉とマッシュポテト、チーズと彩り野菜、季節のフルーツサンドといろいろあった。

嬉しかったのは、私用に一口サイズのがちゃんと用意されてたこと。

帰りにちゃんとお礼を言っておかないとね。この心遣いには感謝感謝です。


さーて、お腹もいっぱいになったし、体力も回復したから次の子を探してみよう!




何かレスティンのキャラが崩壊してきたwww


でっかい動物ばかりだったので、そろそろ小動物が恋しい…(。-_-。)


サイだけ日本語なのはあえてです。

何かしっくりくるのがなくて。

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