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で、結局どーなったんだろーね?

…なんかザラザラする…。

いや、ジャリジャリ?

いやいやいや、そんなに強く垢すりしなくていいから!!

ん?垢すり??っていうより、猫の舌じゃね???


目を覚ましたら、そこにはラース君の顔がどアップでありました。

えーっと、顔中ヒリヒリするんで、止めてもらっていいですか?


「ガウ」


え?背中に乗れ?

うん、まぁ、いいけどさ。

ラース君によじ登って、背中に跨る。ついでに背中の毛にもふもふ。

あぁー気持ちいい!こっちでお昼寝でもよかったな。でも、落っこちるか…。


しっかり乗ったことを確認して、ラース君は歩き出した。

どこに行くのかなぁっと思っていると、謁見の間のど真ん中に行き、さらに階段を登り始めた。

ヴィのとこなんだろうけど、なぜに私まで?


ラース君はヴィの足元に寝そべり、私はヴィに横抱っこされた。


「おはよう、ネマ」


うぉ!なんかキラキラしてるぞ、変態王子!!


「おはよーごじゃいましゅ」


何はともあれ、挨拶は大事だ。

ぺこりとお辞儀も付けてみる。

だがしかし!なんかアメジストの目が訴えてくるんですけど!!何で?どうして??


おはようだよね?おはよーオハヨウお早う…のチュー??

んーまさかね???


………ちゅっ―――


変態王子のほっぺにチューしてやりました。そしたら、キラキラが倍増しました。どうやら正解だったヨウデス…。

この変態鬼畜王子めっ!!


「ヴィル狡いぞ。ネフェルティマ、わたしの所においで」


そう言って、今度は王様に抱っこされた。

ヴィの舌打ちが聞こえたような、なかったような。うん、キコエナイ!


「おーしゃまねちゃってごめんなしゃい」


寝てしまった原因はラース君にあるような気もするが、やっぱりこういう場で寝るのはマズかったかもしれないから、先に謝っておこう。


「構わんよ。子供に睡眠は大事だからな」


うんうん。この王様は良くわかってらっしゃる。幼い頃のヴィのこともちゃんと子育てに参加してたのかな?

でもね、その何かを求めるような目はナンデスカ?

ヴィと同じ目ですね。キッラキラしてますね。

………負けました。

この親子、目力ハンパねぇ。


ちゅっ―――


王様は満足そうに私の頭をなでなでしてくれました…。

別に私、キス魔じゃないですよ?パパンじゃあるまいし。


「わたくしにも抱っこさせて下さいな」


王妃様も参戦してきたので、今度は王妃様の膝の上に。

初めて王妃様を間近で見て、私はポカーンとしてしまった。


「きれー」


口に出して言ってしまうくらい美しい人だった。

ヴィの藍色よりも明るい海の色をした髪は艶やかで、長い睫毛に縁取られた瞳は紅水晶(ローズクォーツ)のように透明度のあるピンク。陽に当たったことないんじゃないかと思う程の白い肌。ふっくらとした形良い唇。そしてなにより、ボンキュッボン!

大事なのでもう一度言う。

ボンキュッボン!!


ちょっと触った感じ、コルセットしてないよ!似非クビレじゃないし、寄せて上げてもしていない天然モノですよ!!本当に子供産んだのか?

うちのママンですら………。ひぃぃ、言いません!言いませんからっ!!


「あら、嬉しい!」


王妃様の嬉しそうな声に、ハッと我に返る。

母親の恐ろしい視線をなんとか意識の外に出して、改めて王妃様に挨拶をする。


「はじめましゅてネふぇるティマ・オすふぇでしゅ」


「ふふっ。初めまして、わたくしはリリーナよ。ネマって呼んでもよろしくて?」


笑顔も本当に綺麗だ。エルフの血でも入ってるのかな?


「あい!」


元気よく返事したら、王妃様にギューってされた。

うわー、すっごくいい匂いする。


「こんな可愛らしい娘が欲しかったわ」


いやいや、まだお若いんですから、これから頑張って産んで下さい。そしたら、私よりン十倍も可愛い娘さんだと思いますよ?


それより、なんか視線がイタいですよ。

野郎共からの嫉妬っぽい視線がね。

羨ましいだろ!って心の中で叫んでから、今度は私から王妃様に抱き付いてみる。

王妃様は少し驚いたみたいだけど、嬉しそうに私の頭を撫でてくれた。

へへっ。ちょっと優越感。


てか最近、やたらと人間にもモテてる気がするのは気のせいか?

えっ?自意識過剰じゃないかって?

…それもそうか!平凡な顔だもんね。まだ子供だから、愛でる対象なだけで、大きくなったら見向きもされないよね。

…自分で言って虚しくなった。


結局、どこにもお咎めは無しになりました!

結論は『神様の御意思』に収まったそうです。アレですね。御意思と書いて、イタズラと読む!


そして、私の『王宮フリーパス』がグレードアップしたよ!

なんと、無制限のどこでも行き放題!!

凄くない?

まぁ、行き放題って言っても、現場責任者がいないとダメな場所もあったりするけどね。

ただ、それが王様の善意なのか、何か企んでのことなのか。ちょっと恐いよね。

困惑が顔に出てたのか、ヴィがいいことを教えてくれた。

竜騎部隊っていうのがあって、翼竜の一種リンドブルムとその亜種で地竜のリンドドレイクという竜がいるんだって!

これは是非とも行かなくては!!


やっぱり、私、思ってることがすぐ顔に出てるのか…。

ほんと、最近子供返りが酷いな。

クールなお姉さんと言われていた私、どこに行った!!



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