昭和の名残りオヤヂ
時代がどれほど移り変わろうとも拭えない、過去の激しい熱量と不器用な愛への渇望を、この詩に込めました。
正解や安全ばかりが求められる現代の静寂の中で、かつて理不尽に思えた父の暴力や狂気の中にあった「本物の熱」をもう一度確かめたくなる——そんな葛藤と、どうしても抱きしめられたかった心の奥底の叫びを感じ取っていただけたら幸いです。
茶の間の畳に焼きついた
煙草の焦げ跡が、まだ冷え切っていない。
怒号は柱を震わせ
ちゃぶ台の上の熱い茶をこぼした。
あの拳の正義を、僕はただ怖れていた。
けれど時代がめくれ
拳のいらない静かな部屋で暮らすようになると、
あんなにも不条理だった怒りの裏側にあった
時代を生き抜くための狂気と、不器用な愛が
痛いほどの熱量として浮かび上がってくる。
正解ばかりを求められる現代の言葉はあまりに軽く、
僕らは傷つかない代わりに、誰も愛せない。
古びた柱の傷に指を這わせる。
殴られた頬の痛みをどこかで探している自分がいる。
僕らはあの身勝手な熱狂の時代に、
本当は抱きしめられたかったのだと気づきながら。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
時代の変化と共に薄れてしまった「あの頃の熱量」と、今だからこそ理解できる不器用な親心への思いを言葉に託しました。
静かな現代を生きる皆様の心に、少しでも届くものがあれば幸いです。




