洗脳
トワイライト達はこの数日間ずっと城の偵察をしていた。
その間、マーチとワイアスが襲われかけていたので助けた。
偵察の甲斐があって、城の見取り図はほぼ完成した。
部下のショーンはマーチとワイアスも仲間に入れようと断固主張した。
トワイライトもその意見に非常に興味を持った。
2人がノメッドの襲撃を受けたことで、利害が一致するからである。
トワイライトは人の善意を信用しない。
マーチがトワイライトを救出した時からと言ってマーチを信用したわけではなかった。
だが、今回は利害が一致する。
そういう相手は信用ができる…信頼はできないが。
それがこの国で生き残ってきたトワイライトの考えだ。
トワイライトは早速部下を派遣してマーチとワイアスとの接触を図ろうと派遣した。
3人のトワイライトの部下が手分けしてワイアスとマーチを探すことにした。
1人目の部下は宿に戻っていないかと思い宿に向かった。
2人目の部下は西のスラム街に潜んでいるのじゃないかと考えてそこを重点的に探した。
3人目の部下は図書館にいっているのではないかと思い、図書館付近を捜索した。
2日後
3人のトワイライトの部下は気がついたらノメッドの目の前にいた。
ノメッドは笑いながら言った。
「申し訳ありませんね。あの2人と組まれたら少々厄介なことになりそうだったのでねぇ…あなたがたと会わすわけにはいきませんねぇ。」
1人の部下は悔しそうに言った。
「くそっ!!これから俺たちをどうするつもりだ…」
「ちょっと待ちなさい…今どれが面白いプランか決めているところなんですから。」
ノメッドは3分ほど考えて言った。
「1つ目の案は今ここで3人が殺し合いをする…強者は許してあげましょう。私は強いものが好きですから…」
ノメッドは続けて話した。
「2つ目の案は3人を洗脳してスパイとして送り返す。トワイライトの愕然とした顔が目に浮かびます…」
「3つ目の案は…面倒なのでここで殺してしまう…さて、どれがいいでしょうかねぇ…」
1人目の部下が挑発するように言った。
「俺たちは洗脳されるほど精神が弱くはないんだよ!!どっかの誰かさんとは違ってな!!」
その言葉をノメッドが聞くと、笑いながら言った。
「いいでしょう。やってみてごらんなさい。」
そうノメッドは言って、呪文を念じ始めた。
呪文を掛けられている間、1人目の部下は考えていた。
――この呪文さえ耐えれば、トワイライトの元へ戻れる。以前トワイライトに聞いたことがある。洗脳の呪文は完ぺきではない。精神力が本当に強いものは耐えられる。ここで耐えなきゃ何のために生きてきたかわからない。耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ――
呪文の詠唱が終わった時、1人目の部下はこう思った。
――よし!耐えきった。耐えきったぞ!!ノメッド様の言った通りだ…精神力が強かったら耐えられるんだ。これで…これでトワイライトの元へ戻れる。すべてはノメッド様のために――