ノメッド
ノメッドは置かれたその死骸を眺めながら言った。
「とうとう見つけた…」
ノメッドは早速部下を呼び、鍛冶屋に加工させるように言った。
ノメッドは自分の指輪を見つめた。
ノメッドは自分より強い魔法使いがいることを認めなかった。
自分の父親ですら自分より実力が上であることを妬み、呪った。
しかし、どうしても父親を超えることはできなかった。
なぜなら父親にはこの指輪があったからだ。
父親は常日頃から言っていた。
「城の地下のマジックスポットにはこの指輪を超えるものがある。それは、強大な魔力を秘めていたがとうとう取ることができなかった。」
ノメッドはそれを知った時、何人もの魔法使いを派遣してそれを取に行かしたが全て帰らぬ人となった。
父親が死に、指輪が手に入った。
指輪をはめた時に魔力が奥底から湧き出てくるのを感じた。
王になったその日、ノメッドは魔術大会を開き、いとも簡単に強者を倒して優勝した。
力を見せることで臣下は従い、何事も好き勝手に行うことができた。
下級層には一層の差別を行い、自分を超えるかもしれない能力がありそうな子供は容赦なく下級層に落とした。
しかし、自分の魔法が初めて破られたことを知った。
指輪を相続してから、自分の魔法を破る魔法使いは存在しなかった。
その事実を知った時、城の地下の物に再び興味が湧いた。
それを手に入れれば再び最強の魔法使いとなれる。
そして、ノメッドにある考えが浮かんだ。
自分の魔法を破ったものにそれを取らせればいい。
そこで、そいつが死のうとも、はたまた帰還することができてもいい。
見事にその魔法使いは帰還したが、もうどうでもいい。
この死骸が手に入れられたなら、自分がまた最強の魔法使いなのだから…