帰還
ワイアスとマーチは城の地下から帰ってきた。
地下の扉を出た後、その扉の前に魔術師が待ち構えており、言った。
「お帰りなさいませ。早速ノメッド様の前に来てください。」
そう言って、二人をノメッドの元へ案内した。
ノメッドはマーチの手の上にある死骸を見ると言った。
「ご苦労様でした。さあ、そのものを私に渡しなさい。」
「『不魔石』は結局見つからなかったよ。」
「…そうですか。それは、残念ですね…しかし、私には関係のないことです。さあ、それを私に献上しなさい。」
マーチは渋々その死骸をノメッドに渡した。
「では…ごきげんよう。そうだ!今日は城に止まってお行きなさい。『呪われた血』にも部屋を用意しましょう。」
二人は泊まる当てもなかったので、素直にその申し出を受けた。
二人が退出した後、ノメッドは部下を呼び言った。
「今日の夜、あの二人を殺しなさい。」
マーチとワイアスは用意された部屋へ行き話した。
「結局、ブレスレットは取られませんでしたね。」
「あの死骸が目当てだったみたいだからな…どうでもよかったんだろ。」
二人が寝ていると、外から気配がした。
二人は身構えた。
マーチは呪文を唱えて、壁を半透明にした。
すると、扉の前で無数の魔術師が待ち構えていた。
マーチは呪文を唱え始めた。
しかし、唱え終わる前に魔術師たちはバタバタと倒れ始めた。
魔術師たちの後ろに、トワイライトがいた。
トワイライトは扉を開け、部屋に入った。
そして、ワイアスとマーチに言った。
「今、あなたたちは殺されるところでした。これで借りは返しました。」
「トワイライトはこんなところで何を?」
「…それは、あなたたちには関係のないことです。早くこの国を出られるとよいでしょう。」
そう言ってトワイライトは去って行った。