死の亡霊
「ここか…マジックスポットは…」
ワイアスが呟いた。
マジックスポットは本当に意外な場所に存在した。
それは、城の地下だった。
地下には一つの扉があり、その前には魔術師が護衛していた。
案内人は魔術師と何やら話していた。
話し終わると、魔術師は道を開けた。
扉を開け、階段を下りる。
どんどん空気が重苦しくなっている。
まるで、何かがおぶさっているような気さえ感じた。
案内人は言った。
「私はこれ以上行くことはできません。どうか御無事で。」
そう言って案内人は去って行った。
さらに階段を下りて行った。
すると、何やら広い場所についた。
マーチは呪文を唱え辺りを明るくした。
周りを見渡すと、そこらじゅうに骸骨が転がっていた。
二人はその骸骨を踏まないように先に進んだ。
さらに奥深くに進んでいくと、不気味な光が一つ、また一つとつき始めた。
それを光で照らすと、鎧を着た骸骨たちが不気味な光を放っていた。
全部で3体の骸骨が目にも止まらぬスピードで襲ってきた。
まず、1体目の骸骨が剣でワイアスを突き刺してきた。
ワイアスはそれを間一髪でかわし、その剣を取ろうとした。
すかさず、2体目の骸骨が斧を振り下ろした。
ワイアスは間一髪で剣を離し、腕の切断は免れた。
しかし、最後の骸骨の鉄拳は躱すことができず、額で受けた。
額からは血が噴き出て、ワイアスの意識はもうろうとしたがかろうじて立っていた。
マーチはその間ずっと呪文を詠唱していた。
そして、その呪文の詠唱が終わると、手が光はじめ、その光をワイアスに当てた。
ワイアスは防戦一方だったが、その光を受けるとスピードが格段に上がり敵の攻撃を余裕を持ってかわし始めた。
そして、地面に落ちていた剣で3体の骸骨と対等に戦い始めた。
マーチはまたも呪文の詠唱を始めた。
ワイアスはまず、斧を持っている骸骨の手首を両断した。
そして、剣をふるった骸骨の振り下ろしを返し太刀で受け、その反動を利用して真後ろにいる骸骨を一刀両断した。
マーチの呪文の詠唱が終わり、両手を挙げた。
すると、まばゆい光が辺りを照らして、骸骨たちは見る見るうちに動かなくなった。
ワイアスとマーチは骸骨が動かなくなるのを確認すると、安堵して言った。
「ふう、終わったな…」
「かなり強い骸骨でしたね…」
二人はさらに奥深くへと進んで行った。