勧誘
「本当にありがとうございました!」
トワイライトらはマーチに深々と頭を下げた。
「いや、いいよ。この国は何か…何かおかしいような気がするから…」
ショーンが続けて土下座した。
「お願いします。俺たちを助けてください!」
「やめろ!ショーン!」
「この人さえいれば、僕らは自由になれるかもしれないんですよ!」
「欲しいものは、自分たちで手に入れるもんだろ!」
「…」
「マーチさん…ありがとうございました。このご恩は一生忘れません!」
トワイライトらは去って行った。
マーチがワイアスに呟いた。
「なんか…いいやつらでしたね…」
「そーだな…頑張ってほしいよな。」
「まあ、でも僕らには探すものがありますからね。」
「とりあえず、認定証を買いに行きましょうか。」
富裕層の地区へ行き、認定証を購入した。マーチは買えなかったが…
それからというもの周りの人の見る目が変わり全ての人が暖かく接してくれた。
そして、この地区の立派な図書館へ行き、ワイアスは『不魔石』にまつわる文献を探し回った。
マーチは認定証を持っていなかったので、外で待っていた。
ワイアスを待つ中、一人でいるマーチは人目を大きく引いた。
富裕層の不良たちが魔法で石を飛ばしてきた。
マーチはため息をつき、石を跳ね返そうとしたが、それは自動的に跳ね返った。
横を見ると、ショーンが横にいた。
ショーンはマーチに言った。
「見てください。この国は腐っています。敢えて貧富の差をつけて自分たちの自尊心を満足させるんです。私たちは違います。あなたが『呪われた血』だからといって決して差別しません。私たちはそんな国を作りたいのです。どうか力を貸してください。」
「…」
「すぐに答えが欲しいとは言いません…もし…もし僕らに力を貸してくれるというなら、また、最初あった場所に来てください。」
マーチは少し考え、答えた。
「君たちが…いや君が俺を必要としているのは俺の魔法力が強いからだよね?」
「…」
「トワイライトはそーゆーことが嫌なんじゃないかな…」
「…あなたに何がわかるんですか!?」
「あの人は潔癖すぎるんですよ!だから、すぐ人に裏切られて…だから俺が俺が汚い手を使ってでもあの人を…」
「…」
「とにかく…待ってますから。」
ショーンは去って行った。