策略
少年の名前はショーン。
生まれてから3年で、一人で暮らすことになる。
親はショーンを産んでから逃げた。
この国では一つの決まりがある。
下級階層の親は子供を産んで3年育てたら、この国を出ることができる。ただし、その子供は置いて…
下級階層の労働力を減らさないために、この国の富裕層が考えた政策だ。
自分たちは一生楽になるような仕組み作りには余念がなかった。
ほとんどの親は子供がいるために、この国から出られずに一生を迎える。
ショーンのような親は、国を出るために子供を産む。
ショーンのように3歳でも1人で生きていけるようにこの国には強制収容所がいくつもあった。
そこなら、一応暮らすことは可能だ。(1日中休みなく働き、手にするのは1日分の食料分のみの給料だが)
ショーンは8歳までそこで働き、盗賊稼業に身を落とすことになる。
それは生まれつき頭がよかったこと、魔法力が人並み外れていたためで、なんとか生き延びることはできた。
6年後、盗賊の首領の右腕となっていた。
しかし、最近首領が捕えられてしまった。
そこで、ショーンは死刑に前に首領を救出する作戦を考えていた。
だが、どうしても資金と駒が足りない。
今ここにいるマーチという名の魔法使いの魔法の凄さまじかった。
この魔法使いの力を借りる事ができれば、首領も救出することが、可能だろう。
どんな嘘をついても、この男の協力を取り付けなければいけない。
ショーンは地面に頭を擦り付けながらこう考えていた。