貧富
ワイアスとマーチはさらに北を目指していた。
王妃の部屋に会った真実の鏡の話では北に答えがあるという…
北へ行くために十分な準備をしていたので目的の町には割合苦しくなく行くことができた。
町に入ると、きらびやかな街並みが一面に広がっていた。
歩く人々も上品な人々ばかりだった。
まず、二人は宿を探すことにした。
持ち合わせとしては十二分に持っているが、
今後も長い旅が予想されるのでできるだけ安い宿を探すことにした。
そこで、通行人にマーチが聞いた。
しかし、通行人はマーチのことをまるで汚いものでも見るかのように一瞥し無視した。
そこで、ワイアスもなるべく優しそうな通行人に話しかけた。
が、ワイアスもまた同じく無視された。
二人して首をかしげていると一人の少年が近づいてきて言った。
「お兄さんお兄さん!あなたたちじゃ人に話しかけることはできないよ。」
マーチは聞き返した。
「どうしてです?」
「それはタダでは教えられないなぁー。」
そう言いながら少年は誰にも見られないようにこっそり右手をだした。
マーチは渋々お金を渡した。
すると少年は素早くお金を取り、また右手をだした。
「これだけじゃあなー。あと50はくれないと」
マーチは少し考え何かを呟いた。
そして、かなりの額のお金を少年に手渡した。
「こ…こんなに!?す・すっげー。ありがとう!情報サービスするよ。」
「この町の安い宿を探しているんだけど?」
「ここから東に4ブロックほど行けば、タダ同然に泊まらせてくれる場所があるよ!
でも身の安全の保障はないけどね。安全に泊まりたいなら多少高くてもこの辺り宿に泊まるといいよ。」
「通行人の人が話しかけても無視されるのはなぜだい?」
「それはあんたたちが身分書を持っていないからだよ。みんなが胸につけてるだろ。」
「それはどこで手に入れればいいの?」
「ここから2ブロックほど西へいけば売っているよ。かなりのお金がないととてもじゃないけど手が出ないけどね。でも、それを持っていればここではかなり住みやすくなるはずだよ。逆にこれを買えない貧乏人にとっちゃここは最低な場所なんだよ」