呪い
ワイアス、マーチ、アリエッタは町はずれの茂みに隠れていた。
「マーチ、俺に掛けてくれた魔法でなんとか逃げ出すことができたよ。」
ワイアスがそう言うとマーチはニコリと笑った。
アリエッタはまだボー然としていた。
ワイアスが彼女に話しかけた
「アリエッタ…君はこれからどうするつもりだい?」
「…まだ、何も考えていません。」
そう言いながら、アリエッタは空を見上て言った。
「…私が何か悪いことをしたのでしょうか?私が王子を殺したのでしょうか?私が『呪われた血』だからなのだけでしょう?『呪われた血』だからというならばいっそすべてを呪いましょうか?愛する人すら奪われて…それならいっそ…」
ふらふらとアリエッタは町の真中へ歩き出した。
そこへ、兵や魔法使いたちの大群が姿を現した。
アリエッタはその大群を見て、言った。
「呪われろ」
一人が急に苦しみだした。
「呪われろ、呪われろ…」
アリエッタがその言葉を言うと次々と人が倒れていく。
「呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ」
大群はたちまち全員苦しみだした。
アリエッタはやめない。
呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ呪われろ」
ワイアスやアーチはその様子を黙ってみていた。
そして彼女もまた非常に魔法力の強い魔女であることを知った。
大群が依然として苦しんでいる中、一人の女性だけその場で立っている女性がいた。
それは、王妃だった。
王妃はアリエッタの前に立ち言った。
「もうやめなさい。」
王妃はそう言ってアリエッタを抱きしめた。
アリエッタは肩を震わせて口を閉ざし大粒の涙を流し泣き始めた。
「あなたに見せたいものがあるのです。」
アリエッタを抱きしめながら王妃はそう呟いた。