暗殺
王子は部屋の中にいた。
さっきまで王子は周囲を辛抱強く周囲を説得していた。
結果は散々だったが…
違うんだ…彼女じゃないとダメなんだ…
アリエッタは城の使用人として働いていた。
小さい頃からずっと同じ時を過ごしてきた。
昔は今と比べてもっと差別がひどかったが、母はアリエッタと遊ぶことを咎めなかった。
恋に落ちた瞬間はずっと心に残っている。
5年前、アリエッタの誕生日の時、いつも世話になっているからとドレスを作らせて送った時だ。
「もったいなくて私には着られません。でも…ありがとうございます。」
アリエッタは申し訳なさそうにしてたっけ。
それでも嬉しそうにしていた表情がとても可愛くて…
それからずっと好きだった。
彼女が自分のことを好きじゃなくても構わなかった。
絶対今より幸せにしてみせる…そう思ってプロポーズしたのに…
まさか命を狙われるなんて…
その時、扉からノックの音がした。
王子は扉を開いた…
見知らぬ男が扉の前に立っていた。
見知らぬ男はナイフを王子の胸に突き立てた。
王子は何が起こっているのかわからないままその場に倒れた。
失われていく意識の中で王子はアリエッタのことを想った