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誰かに届けたかった手紙

作者: 青瀬凛
掲載日:2025/12/13

前略

 突然だけれども、貴方は世界が自分から遠ざかっているような感覚に陥ることはないだろうか。或いは、自分の周囲が砂嵐に巻き込まれてしまったかのように感じることはないだろうか。

 僕にはある。それも度々。

 精神的に世界と自分との間に透明な壁があるように思うだけでなく、物理的にもそうであるかのように、視覚がおかしくなることがあるんだ。貴方に理解してもらえるだろうか。

 僕はそんな時、酷く淋しく、自分がつまらなくてちっぽけで、異端な存在であると思ってしまう。

 何が原因かは分からない。分からないが、昔からこうなんだ。

 それで誰かに迷惑を掛けているわけではない、と思いたいけれど、どうだろうか。もし貴方に僕の気持ちが伝播して、しんどい思いをさせてしまったことがあるのなら、申し訳ない。

 急にこんなことを手紙に書いて、驚かせてしまったかもしれない。

 けれど、僕という人間のことを分かっていてもらいたいと思って筆を執ったんだ。そう思うのは貴方が僕にとって大切で、特別な存在であるからだということを、知っておいてもらいたい。勝手な言い分だけれども。

 子供の頃、人間関係が上手くいかなかったり、仕事で辛い経験をしたり、兎に角、人間というものが怖くて仕方がなく、怯えながら人と接している僕に、ずっと寄り添ってくれている貴方だから、そう言うんだよ。

 怖い、いつも怖いよ。誰かに嫌われたり、意地悪されたりすることが。貴方も離れて行ってしまうのではないかということが。どうしたらいいだろうか。

 自分は何処かで変に捻じ曲がってしまった。そう感じている。直したいのだけれど、直し方が分からない。直せるものでもないのかもしれない。それはとても恐ろしい事だけれども、事実なら、受け止めなくてはならないね。

 こうして文章を綴っていると、頭の中が整理されていくように感じる。同時に、本当に僕の感情や思いとぴったり合致した文になっているのか、疑問にも思う。書くって難しい事なんだね。そして正直に書くということは、とても気恥ずかしいことだと、改めて知ったよ。

 此処に書き記したことを全てひっくるめて、誰かに共感してもらえたなら良いのに……。出来れば、貴方に。

 変な手紙でごめんなさい。もっと明るい内容にしたかったのだけれど、どうしても正直な気持ちを綴りたくなったんだ。

 ところで、久しぶりに今度一緒に食事でもどうだろうか。随分長い間、会っていないから。

 携帯の画面越しの会話だけでは、やっぱり物足りないよ。寂しがり屋め、と思われてしまうかな。

 自分でも自分のことがとても面倒くさい奴だと思うよ。こんな手紙を書いてしまうくらいだから。でもこれが僕なんだ。好きになれないけれど。

 長くなってしまった。そして乱筆乱文であることも謝ります。

 そして、いつもありがとう。本当に、感謝しています。

 お返事をもらえれば嬉しいです。

                                   草々

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