第30話『絡縛の遺跡』 後書き:MAP
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これまでの旅路をなぞってみる。
《闇の刻印の廃域》で目覚めたものの、それまでの記憶はなく、いきなり《ヘルハウンド》に襲われて逃走。
辿り着いた《律音の庭》で《セレナ=ハーモニック》と出会った。
神出鬼没で不信さMAXだが、どうやら悪い奴ではないらしく、彼女からいくつかの情報をもらうことができた。
もらった情報を元に《黒殻の迷路》に向かい《イッカク》を撃破し、《言語パーツ》と《保存データ》を入手したところで、いきなり乱入してきたのが《剛獣グラヴォルク》だ。
こいつからは何だか恨みを買ってしまった気がするが……きっと、二度と会うことは無いだろう。
何とか脱出して《闇の刻印の廃域》に戻り、《言語パーツ》を差して《ラース》が目覚めたが……。
記憶がない上に、《保存データ》からも役立つ情報は得られなかった。
他のパーツを入手してラースの機能を取り戻すことが、この世界を知るためのカギになる──。
そう考え、ラースのパーツ集めをすることに。
改めて《律音の庭》でセレナから「この先5つくらい《機械のパーツ》がある」との情報を得て、ついでに《ミューズチャイム》をもらった。
これがあればいつでもセレナに会えるらしく、《収納膜》に大事にしまっている。
本当に困った時には、遠慮なく呼び出させてもらおう。
そして……まずはお礼を言わないといけないな。
そこから《響震の洞窟》で《エコローム》を撃破し、《通信パーツ》を獲得したものの、残念ながらノイズ交じりで上手く動かなかった。
その後《巡る霊脈の地》で謎の少女リディスと出会い、この先のエリアの情報を得ることができた。
機械のパーツを集めるため、まずは、《絡縛の遺跡》へ。
──そしてその先には、毒地帯である《鉄殻の墓所》、《灼熱の谷》、《蒼天の森》、《雷鳴の空域》と続くはずだ。
******
クロとラースは《絡縛の遺跡》と刻まれた石柱の前にいた。
ラースはくるくると回転しながら明滅している。
「《響震の洞窟》のすぐ近くだったんですね!」
「そうだな。リディスは大して危険がないと言っていたが……さて」
クロは《千里眼》と《ウィズセンサー》を同時に展開した。
空間に淡い光の格子が走り、遺跡の構造が網のように浮かび上がっていく。
所々に木や草花が生い茂り、石壁や倒れた石柱にはツタが絡みついている。
遺跡の中心部に、《機械のパーツ》と思われる《特殊な魔力反響を持つ何か》があるようだ。
また周辺の魔力反応は小動物や虫など、微細なものばかりで、目立った脅威はなさそうだった。
「おぉ、ここにもラースのパーツがありそうだぞ。
特に危険は無さそうなんだが……だいたいこの後、痛い目見るんだよなぁ」
クロは石壁に絡みつくツタにそぉーっと近づき、爪先でツンツンと突いてみる──が、反応はない。
「……ま、考えすぎだな!」
ほっと一息ついた後、周辺の探索をしながら、中心部へ向かうことにした。
石壁の裏手に、楕円型で青緑の葉がひっそりと揺れていた。
鑑定によれば、食用可能な《シェードリーフ》。乾燥保存に向いているらしい。
試しに一枚ちぎって口に含んでみると、ざらりとした表面が舌に触れ、すぐに苦味が広がった。
だが、噛みしめるうちに苦味が香ばしさに変わり、鼻に抜けるような清涼感が残り、後味も悪くない。
周辺に自生しているシェードリーフを採取して、《収納膜》へしまっていく。
さらに、木々の合間からは、丸く小粒な赤い果実が顔をのぞかせていた。
鑑定によると、こちらも食用可能な《チクルベリー》。
完熟したものはわずかに紫がかって輝き、薄暗い場所でも見つけやすくなるようだ。
「あれが、リディスの言ってた美味い果実だな」
木にかけ登り、さっそく一つちぎって口に入れてみる。
皮はやや硬めだが、歯を立てるとぷちりと弾け、中から甘い果汁が広がった。
最初はほんのり酸味があるが、すぐに濃厚な甘さに変わり、舌の奥にじんわりと残る。
「皮はちょっと固いけど……癖になる酸味と甘みだ!ありがたく頂戴しておこう」
枝を蹴って跳ね、石柱を踏み台にして、次々と果実を摘み取っていく。
「ふぅ……これだけあれば当分困ることはないだろ」
魔力を込めて木からぴょん、と飛び降りた瞬間──。
足元に、ぎゅむ、と柔らかい感触が走った。
「ん?」
慌てて足をどけると、地面の隙間からモグラがぴょこん、と顔と手を出す。
つぶらな瞳に、ピスピスと動く鼻。
クロの足元をくんくんと嗅いでいる。
「あっ……かわいい……」
癒されかけたその瞬間、モグラが牙をむいてギィィイ!と叫んだ。
なぜか、モグラの気持ちがクロに伝わってくる。
「めちゃくちゃキレてるな、これ。
どうやら……"俺様の食事場を荒らした上に蹴りまでくれやがって、このチビ!"
……と言ってる気がする!」
ラースが静かに言った。
「クロ……事故かもしれませんが、まずは誠意をもって謝罪をすべきではないでしょうか」
「まぁ、確かに……。
よく考えたら、魔力を込めて飛び降りたしな。そりゃ痛いか」
クロは苦笑しながら、モグラの方へ向き直った。
真摯な表情で、ゆっくりと語りかける。
「そうだな。
……食事場を荒らしてすまなかった。
それから、踏んでしまったのもわざとじゃないんだ。悪かったよ」
一拍置いて、ふと口元が緩む。
「ただ、一つだけ言わせてくれ。
……。
──背は俺の方が高いよな」
その瞬間、地面がバキバキと音を立てて裂けた。
地面から突如飛び出したツタが、唸るような音を立てて迫ってくる。
クロは即座に身体を翻し、回避動作を取った──が、完全には間に合わなかった。
鋭い一撃が皮膜を貫通する。
「つッ……!」
すぐさま鑑定を走らせる。
<<——バインドモール。 絡縛の穿獣。>>
「……いやいや、普通のモグラじゃないのかよ!?」
ツタは地面を突き破り、威嚇するようにうねうねと蠢きながら、クロを標的に定める。
バインドモールの叫び声から、意識が伝わってくる。
『ブッコロス!!!』
ラースは小さくため息をついた。
「クロ……どうして余計な一言を……」
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身体強化系:《高速木登り》《高速滑空》《千里眼》
便利系:《サーチ》《鑑定》
皮膜系:《収納膜》《防御膜》《隠密膜》
尻尾系:《ファントムテール》
肉球系:《ジャンプスタンプ》《ショックスタンプ》《エアスタンプ》
ヒゲ系:《ウィズセンサー》《ウィズスピア》
ラースのパーツ:
《言語パーツ》《通信パーツ》
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