第26話 黒曜の守護者
地下遺跡で蓮たちは黒曜石の鎧を纏う騎士と対峙する。彼は「七つの門の守護者」と名乗り、侵入者を排除しようとする。蓮は全力で戦い、ついに守護者を打ち破るが、彼の最後の言葉が新たな謎を生む。「七つの門が開かれし時、封印は完全なる終焉を迎える——」
「……こいつ、ただの魔物じゃないな」
黒曜石の騎士はゆっくりと剣を構えた。その動きには一切の無駄がなく、まるで生きた騎士そのものだった。
「……七つの門の守護者、か。お前も封印の一部ってことか?」
蓮が問いかけると、騎士は静かに頷いた。
「我は試練を課す者。七つの門を知る資格があるか、示すがよい」
「どうする? 交渉の余地はなさそうだけど……」
リーナが緊張した声で尋ねた。
「まぁ、こういうのはだいたい戦わないと通れないんだよな」
蓮は剣を構え、騎士を見据えた。
「……なら、やるしかねぇ!」
騎士が一瞬で間合いを詰め、黒曜石の剣を振るう。
「くっ……速い!」
蓮は間一髪で回避するが、騎士の動きは鋭く、隙を見せる暇がない。
「シャム! 援護を頼む!」
「任せろ!」
シャムが短剣を投げ、騎士の背後を狙う。しかし、騎士は寸前で剣を振り払い、短剣を弾いた。
「こいつ、隙がねぇ……!」
「なら、魔法で押す!」
リーナが詠唱を完了し、巨大な雷撃を放つ。
「《雷槍》!!」
雷の槍が騎士を貫こうとするが、彼は盾を掲げて防いだ。
バリバリバリッ!!
雷撃の衝撃で騎士は後退するものの、致命傷には至らない。
「なるほど、単純な攻撃では崩せないか……」
蓮は冷静に騎士の動きを観察する。
「なら——」
「《爆炎の刃》!」
蓮の剣が炎を纏い、一瞬で赤熱化する。
騎士が再び剣を振るうが、蓮はその動きを読んでいた。
「お前の動きは……もう見切った!」
蓮は騎士の剣を受け流し、燃え盛る剣で胴体を一閃した。
ズバァァァン!!
黒曜石の鎧が砕け、騎士の動きが止まる。
「終わりだ……!」
蓮は最後の一撃を放ち、騎士の身体を貫いた。
ガシャン……
黒曜石の騎士は膝をつき、その場に崩れ落ちる。
「やったか……?」
シャムが警戒しながら様子を伺うと、騎士の残骸から微かに声が響いた。
「……試練は終わった。お前たちには、門を知る資格がある」
「門……?」
「七つの門の封印……それが解かれた時、何が起こる?」
リーナが問いかけると、騎士の声は静かに答えた。
「七つの門が開かれし時……封印は完全なる終焉を迎える」
「……終焉?」
蓮の胸に、不吉な予感がよぎった。
何かが……間違っている。
この封印はただの封印ではない。もし全ての門が開かれたら、取り返しのつかないことが起こるのでは——?
蓮たちは新たな謎を抱えながら、七つの門の真実へと迫る——。




