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第136話  世界再生計画

いつもお読みいただきまして、ありがとうございます。

世界は壊れかけていた。


その事実を、誰もが――いや、もはや生きとし生ける全てが、肌で感じ始めている。


空は歪み、大地は軋み、世界の輪郭そのものが揺らぎ始めていた。


深界〈ディープ・ワールド〉から出現した〈深界核〉――それは、この世界の根幹そのものを司る存在。


だが、それが制御不能となり、暴走を始めたことで、世界は臨界点へと突入しつつあった。


「……もはや、猶予はない」


蓮は、玉座の間の中心に立ちながら、静かに告げた。


その背後には、共に戦い続けた仲間たち――イリス、リーナ、シャム。


そして、今や新帝国フェルマータの代表者たる各種族の長老たちが並んでいる。


誰もが、その言葉に頷いた。


「深界核の暴走による世界の崩壊……放っておけば、あと数ヶ月も保たないでしょうね」


リーナが膨大な資料を抱え、眉を寄せながら言う。


「だが、逆に言えば――」


シャムが口角を吊り上げる。


「今ならまだ、間に合うってことか」


「ああ」


蓮は頷いた。


「そのために――世界再生計画〈リバース・プロジェクト〉を始動する」




その計画は、あまりにも途方もないものだった。


簡潔に言えば――


『深界核の暴走エネルギーを逆利用し、世界そのものを再構築リバースする』


という計画。


本来、世界の崩壊エネルギーなど、人智で制御できるものではない。


だが、蓮には可能だった。


彼が持つ異界技術、アイテムボックスの中に眠る超技術。


そして、オルフェウスが遺した深界理論の断片。


 それら全てを繋ぎ合わせれば、不可能は可能となる。


「まずは、深界核のエネルギーを収束・転換できる〈世界再生炉〉の建造だ」


 蓮の言葉に、ドワーフ族の技師長が唸る。


「……正気の沙汰じゃねぇ。だが――燃えるな」


次に必要なのは、世界各地に存在する〈深界断層〉への制御装置設置。


この世界には既に、至るところに深界由来の亀裂や歪みが発生している。


そこに制御塔を建設し、再生炉とリンクさせることで、暴走エネルギーの流れを統制するのだ。


「各地への展開は、俺たちの軍と探索隊が担う」


シャムが腕を鳴らす。


「問題は……時間と敵、ね」


イリスが鋭い視線を向ける。


そう。


〈世界再生計画〉の阻止を目論む存在は、既に動き出していた。




その名を、〈深界守護者〉と呼んだ。


深界核の誕生と同時に現れた、半ば世界そのものの意志の具現。


暴走を抑える行為は、彼らにとって「世界の定めへの反逆」と映るらしい。


その強さは、桁違いだった。


超大型魔獣、時空を操る異形、概念すら歪める存在――


だが、蓮たちは引かない。


「この世界を――俺たちの未来を、守るために」


蓮は宣言する。


「全員、準備を整えろ。〈世界再生計画〉、発動する!」




――そして、始まる。


世界各地への決死の遠征。


幾度もの激闘。犠牲。怒り。悲しみ。


それでもなお、蓮たちは前に進む。


制御塔の建設は着実に進み、再生炉は着々と完成へと近づく。


だが、最後の――最奥の戦場が、待っていた。




その場所の名を、人はこう呼ぶ。


〈深界源層〉(ディープ・コア・レイヤー)


そこに眠るものこそ、この世界を滅ぼし、そして再生し得る最終核。


蓮たちは、そこへ挑む。


仲間たちと共に。

種族の未来を背負い。

希望を手に。


その先に待つものは――


「行こう。終わらせてやる」


「――そして、始めるんだ。この世界の、次の未来を」




かくして、世界は動き出す。


終焉と、再生。


滅びと、創造。


全ては、ひとつの願いのために――

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