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ロリータ・コンプレックス  作者: 下之森茂
7/18

(7/17) 姪からのダメだし。

リナの母親はリナを残し、男と共に蒸発(じょうはつ)した。



コータはそんな事情を探りはせず、

それとなく察している。

当然、干渉(かんしょう)することではないことも。



親権についてトラブルは発生していないし、

転校手続きもコータの母親が手早く済ませていた。

手際のよさはさすが2児の母だった。



そんなわけで、

一切を預かり知らぬコータ自身は

リナに対してなにかしてやれることもなく、

引きこもりを継続(けいぞく)している。



七夕(たなばた)なんて子供だましじゃん。」



短冊に願いごとを書いて飾る。

小学6年生にもなると、

そんなことが児戯(じぎ)にも思えるものか。



コータは過去の自分に照らし合わせたが、

遠い記憶はひどく曖昧(あいまい)だった。



それに男女の逢瀬(おうせ)のために

親に捨てられたリナからすれば、

七夕などは不快感が勝るのかもしれない。



「商店街っていつもグランマと通ってるけどさぁ。

 笹飾ったからってひと増えるわけないじゃん。」



リナは祖父母のことをグランパ・グランマと呼ぶ。



リナの至極(しごく)真っ当な意見に、

コータは自然とうなずいた。



「どこでもやってるイベントなんて

 有名な観光地じゃないんだし、

 もっと地元のお客さんのこと、

 考えないとダメじゃんさ?」



リナの言葉にコータは目を皿にして驚き、

自分の考えを改めた。



「あ、ありがとう。」



「おじさんのカレーくっさいマクラ洗って!」



お礼の返事に、今日も(まくら)を投げつけられた。


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