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ロリータ・コンプレックス  作者: 之


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6/18

(6/17) 雪原の地雷。


七夕(たなばた)。ってまだ先じゃん。」



リナが雪原のようなほぼ白紙のドキュメントを、

後ろから(のぞ)き見てつぶやいた。



いつものように、リナは勝手に部屋に入ってくる。



一時(いちじ)はカギを掛けたこともあったが、

扉を叩かれ、廊下で騒がれたことがある。



引きこもりのヒエラルキーは最下層。

無駄な抵抗であった。



7月になると商店街に七夕の(もよお)しがある。

ゴールデンウィークが明けると、

そのイベントのポスターやチラシを作るために

企画を提案(ていあん)しなければならない。



という説明はコータはしたくない。

黙って前年の企画書を開いて(うな)った。



こうした企画で商店街への

集客が増えたのであれば、

コータ自身の評価につながる。



七夕は五節句(せっく)のひとつで、年に一度、

7月7日に織姫(おりひめ)彦星(ひこぼし)が巡り合う日とされ、

短冊に願いを書いて笹に飾る(なぞ)の風習がある。



商店街では例年、通りに大きな笹を飾り、

短冊に願いごとを書いてもらっている。



織姫をイメージした呉服(ごふく)屋自慢の着物を、

通りに展示するのが定番だった。



来客者向けのくじ引きに

各店舗から寄せ集めた景品(けいひん)なども用意しているが、

梅雨(つゆ)時の雨続きで集客は得られなかった。



去年作った天女(てんにょ)羽衣(はごろも)こと商店街謹製(きんせい)タオルは、

在庫の山と化し、新たに誕生した在庫問題を

放置して1年が経過した。



「つまんないの。」



「痛っ!」



不満をあらわにしたリナに肩を軽く叩かれ、

コータは地雷(地雷)を見事に踏み抜いた。



考えれば怒られて当然だったが、

リナは別のことで叩いたに過ぎなかった。


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