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ロリータ・コンプレックス  作者: 之


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15/18

(15/17) 秘密の暴露。

「なんでカレー?」



コータは目の前で

ハンバーグを作っていたはずだが、

レトルトのカレーライスが出されて

リナは困惑する。



コータはカレーの箱を見て、

演技っぽく驚いた。



「あっ、中辛だっ!

 …まあリナさんは大人びてるし、

 甘口じゃなくても大丈夫ですよね。」



しかし最近では祖母の料理の味付けが、

リナ向けに甘口になっている。



カレーの辛さについてはコータは昔、

同じことを兄のヨースケにやられた。辛口で。

辛さに涙ぐみながら食べた記憶がある。



「…食べれるよ…たぶん。

 ねぇ、ハンバーグは?」



フライパンからやや焦げたハンバーグを

カレーに盛り、その上には別に作った

ソースを掛けた。



半透明な(あめ)色のソースが

カレールーに不思議な色味を与える。



「なにこれ。」



「照り焼きハンバーグカレー。」



「へぇー。」そんなに興味はなさそうだった。



「むかし兄さんがよく作ってた、

 デラックスカレー。」



「パパのカレー?」



「でもウチは共働きだったから

 レトルトでしたね。」



目を(かがや)かせるリナに申し訳なく思い、

適当な記憶の改竄(かいざん)謝罪(しゃざい)した。



「んーからいじゃん! はぁー。」



「ハンバーグのソースと混ぜてみてください。」



「んそっ、あまい! ふしぎ!」



リナの舌には少し早かった中辛のカレーも、

テリヤキソースのおかげで辛さはまろやかになり、

スプーンが気持ちいいほど進んでくれた。



しかしハンバーグを口にして、手は止まった。



「ねえ、コータ。

 これ。とり肉でしょ。」



牛のひき肉から(とり)のひき肉に変えたのを

味で誤魔化すためのカレーだったが、

コータの秘密はすぐにリナにバレた。


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