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ロリータ・コンプレックス  作者: 之


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13/18

(13/17) 叩かれる引きこもり。

「あのおばさんと知り合い?」



矢那津(やなつ)さんね。

 中学と高校で同級生だったひと。」



「初恋のひと?」



「違っ…そういうのじゃないけど。」



「けど?」



説明できずに(くち)ごもる。

コータのこうした反応はリナもよく見ている。



けれども、普段のそれとは反応がことなり、

顔は血の気を失い、余計に青白くしている。



「痛っ!」



沈黙が続くと、また肩をリナに叩かれた。



「お腹空いたから、早く帰ろ。」



「…はい。」



「コータはなんで

 わたしのことキライにならないの?

 怒ったりしないの?」



「嫌って欲しいんですか?」



「だって、イソーローじゃん、わたし…。」



複雑な事情を抱えているリナが、

コータ相手に初めて胸の内を明かした。



コータの両親とリナは、(はた)から見ても

上手くやっているように思う。



リナは猫を(かぶ)るのが上手いし、

両親も引きこもりの息子以上に溺愛している。



虫崎と斑咲(むらさき)、ただの名字の違いが、

彼女を不安にさせるのかもしれないとも思った。



けれども成人してなお実家住まいのコータは

家主(やぬし)でもないので、リナに(くち)出しできる

立場にはない。



「リナさんはちゃんと、家族ですよ。

 出ていくなら僕のほうです。」



「そんなのしたら、わたし、

 コータを毎日パンチしに行くから。」



「いまでも毎日してますよね。」



「へへっ。べしべしっ。」



いつもより優しいパンチが

コータの肩を()でた。


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