街に行く2
街に入ってすぐ、たくさんのお姉さんに囲まれた。薬はどんどん売れていってしまって、驚いてしまう。薬の効能が良いのもあるけど、リトさんイケメンだからね。お姉さんはみんなほっぺたが真っ赤っかで可愛かった。
でも、私もリトさんのお手伝いをする気満々でいたから、ハルはこっち、とリヤカー後ろの方に追いやられて、びっくりした。抗議の意味を込めてじっとリトさんを見上げても、困った顔で笑うだけでリトさんは手伝わせてくれなかった。
なんだかもやもやする。でも、確かに私じゃ足手まといになっちゃうかもね、とこの気持ちをグッと飲み込んだ。
『ハル、これも可愛いよ。』
薬を売り終わって、今は洋服屋さん。リトさんがにこにこ笑って私に服を渡してくる。リトさんが選ぶ服は全部フワフワでキラキラしていてお姫様の服みたいで、高級そう。前髪で顔の大半が隠れてる私には残念ながら似合わない。しかも森の生活で着るには勿体無いし。
困ってしまってリトさんを見上げるけれど、リトさんも店員さんもにこにこしたままで、話を聞いてくれそうにない。
その後もリトさんは日用品や下着(これは店員さんにお任せした)、靴などもたくさん買い揃えてくれた。アクセサリーを選んでいるときは、さすがに私も必要ないです、と言ったのだけれど、結局どれくらいリトさんが買ったのかはよくわからかった。
リヤカーに積まれたたくさんの品々にまた、もやもやとした気持ちが募る。普通の女の子はきっと、すごく喜ぶんだろう。感謝するべき。こんな気持ちになるなんてリトさんに失礼だ。
わかってる。
でもなんだかやっぱり嬉しい気持ちにはなれそうもない。
お金を稼ぐことの大変さを私は知っているから。私を育てる為に、お母さんがどれほど苦労していたのか見てきたから。こんなにたくさんお洋服を買えるお金があったら、今頃お母さんは元気だったかな、なんて。考えてはいけないことを思ってしまった。
そんな風にぼんやりと考えていて、リトさんが居ないことに気づく。どうしよう!心配させちゃう。私は慌ててうろうろと辺りを見回して、ある看板に目が吸い寄せられた。
"髪、高くで買い取ります"
その謳い文句に私はすぐに決心し、私はその店のドアを叩いた。