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花の妖精  作者: ぱる
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出会い

 身体の痛みで目が覚めた。身体中がジンジンと痛む。ハッとして身体を確認したけど、ちょっとかすり傷があるだけで大きな怪我はどこにもなかった。



 私、たしか車に轢かれたんだよね。あの時の恐怖を思い出して身体が小さく震える。そうだ、男の子は!? 勢いよく辺りを見回してやっと気が付いた。ここはどこだろう。



 私は都内の会社から家までの帰り道を歩いていたはず。病院でもないし、、、。 


 私は呆然とした。鬱蒼とした森の中に一人でいることをやっと理解したのだ。なんで。


 あまりにも突然のことで、上手く頭が回らない。夢かなあ。それともここは死後の世界?とりあえず何とか立ち上がって一歩踏み出して、足を挫いていることに気が付いた。でも、ここでいつまでもじっとしているわけにもいかない。会社用のパンプスを脱いで手に持ち、足を引きずりながら歩き出す。







 --- どれくらい歩いたんだろう。もう限界だった。裸足の足は石や落ちている木の枝で傷付けられ、ジクジクと痛む。体調も良くないし、ちょっとこの辺で休もう。私は歩くことを一旦諦めて、近くにあった木の下に座り込んだ。



 なんでこんなことになったんだろう。私はただ、あの男の子を助けたかっただけなのに。あの子、助かったのかなあ。今頃お母さんに抱きしめられて、暖かい所で過ごせてたらいいなあ。



 そんなことを考えていたら何だか目頭が熱くなってきて、私は動揺した。お母さんが死んだとき以来、泣いたことなんて無かったのに。でも、ポロポロと一度出てきた涙はなかなか止まらなくて。とうとう声を上げて泣き始めると、何かが頬をつん、とつついた。びっくりして涙が止まる。未だにつんつんされている感触に、おそるおそる視線を下ろすと、妖精がいた。



 いや、自分でも何言ってんの?って思う。でも本当に私のほっぺをつんつんしてるのは妖精だった。子供向けの絵本に出てくるような、小さくて、羽根があって、金髪と緑の目が可愛らしい妖精。あんまりにもびっくりしすぎて固まってたら、その妖精がニコッと笑った。



 『よかった、涙止まったね』 



 そんな言葉にびっくりする。この妖精が言ったんだよね。でも話しかけてきた、というより伝わってきた、っていう方が正しいかもしれない。頭になんとなく伝わるの。



 『どうして泣いていたの?かわいい子。』



またまた脳内にメッセージが伝わってきて、困惑した。かわいい子、という単語に25歳の私は違和感を覚えながらもなんとか、言葉を返した。


 『ここは何処なの。貴方は何なの。私は一体どうしちゃったの?』



それは妖精に対する問い掛けというよりも独り言のようだった。そんな小さな独り言にふんふんと頷いた妖精は嬉しそうに私に言った。



 『ここは聖なる森。通称妖精の隠れ処。僕は花の妖精だよ。で、君が花の妖精の愛し子。さっき生まれたばかりだから混乱してるんだね。でも大丈夫。ここからは僕がしっかりサポートするよ。』



私はキョトンとして妖精を見つめた。




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