身代わりのアリス
見覚えのある傘、402号室の標識、
疑心暗鬼になりながら玄関ドアのドアへと近づく
似ているドアなんて何処にでもあるさ、そう心に言い聞かしてはいるが不安は身体の中で音をたてている
[凛子、開けてどうしたの]
やっぱり間違いなく姉の声がする、
お姉ちゃん、どうしたの、こんな時間に、ハワイにいるんじゃないの…
私は思わず口走った
姉の返答は止まった、一分位だろうか、その間私はまるで悪質な詐欺に騙されたかのような嫌悪感を感じた
[く、く、く、く、く、っ、、]とドアの外で笑っているような
私は首筋に寒気を覚えながら、[やられた]と後悔した
[なんだぁぁああ、、、やっぱりいるんじゃねえか、しかとしやがって]
姉の声は男のように変わった、
[じゃあ、今、は、い、る、ね、、まっててね、]
今度は再びまた姉の声に
小さな白い腕が四本、ドアの隙間から入ってきた
再びスマホのアラームがなる
[ブーブーブー、死婢人接近中、死婢人接近中、、危険です、危険です]
腕から首へ、首から胴体へ、やがて完全に小さな肉体は入って来た、
その二体には首がない、
[警報、警報、]
[あ、な、た、の、命、は、後、二分位です]
繰り返します
[あ、な、た、の、命、は、後、二分位です]
緊急保護を開始します、スマートフォンに触れて下さい
私は慌ててスマホを取りに行こうとしたが
スマホは寝室、、、それに白い腕は長く伸び私の身体に巻き付いた
これって、、、やっ、やばい…
[そのくび、ち、ょ、う、だ、い]
白い腕は首に巻き付き、引きちぎろうとしている、
私は口から泡を吹いた、
た、、す、、け、、て、、、だ、、れ、か…
[緊急警報、緊急警報、緊急警報、緊急警報、緊急警報、緊急警報]
雨宮凛子人的被害緊急事態ZONE発令
保護システムを作動します
保護システム、No7
コード名、、身代わりのアリス