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闇死婢人
プロローグ、
怪恐異絵図
未だに誰が描いたのか解らずじまい
その絵は美術室の朝窓際に置いてあった
それはある村の風景画、
空は暗く、太陽は雲に巻かれ僅かな日差しは老木に書き消される、
穴の空いた水車小屋の前には淀んだ赤い川、魚が浮いて死んでいる、草木は枯れはて乾いた砂利道には獣の骨が散乱し、その骨で子供が遊んでいる、
村人は全部で五人、血の川で釣りをする者、その横で骨遊びをする子供らしき二人、枯れ木に釘を打つ女、水車前で鍋を煮る男性、その中身には人の手足も見え隠れする、
そして屋根の上には黒装束の男、大きな鎌を持っている
於曾ましい、だがそんな単純な事では終わらない
それは黒装束の男以外村人全員の首がないからだ