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頑張ってくるよ。

 バルカの迷宮と仮称されたその地下迷宮にはすでに王宮騎士団の面々が調査に出ているらしい。


 その通路の狭さもあって大勢での行動は却って不利だという判断から四人パーティを10組投入したというクラウディウス様。


 しかし、その誰もが音信不通、一日一回は報告をあげるように指示してあったにも関わらず丸三日経っても誰一人として連絡が取れず。どのパーティも外に出てくることは無かった。


「遠距離通話用の魔具も持たせていたのだがな。反応が無いのだ……」


 魔具で連絡が取れなければ身の安全を最優先し、脱出に全力を尽くすよう指示されていたという。それでも。


「バルカに囚われたか、それとも……」


 はう。心配だ。


「それをあたしに調べて欲しいって事です?」


「ああ。君の魔力紋が感知できたということはゲートの解放もできたということなのだろう? 霊峰山が崩壊したという知らせは既に入っている。そこで何があったかも聞いても良いか?」


「魔王石は無事得ることができました。魔獣シルヴァ・ファングもここに」


 あたしは左手の籠手を見せて。


「魔獣グリフォンに襲われましたがなんとか退けて。最後は自爆技で逃げられましたけど……」


「その結果が霊峰山の崩壊というわけか」


「ええ。魔王アリシアも協力してくれています。今のあたしなら確かにバルカにもある程度は対抗出来ると思いますけど……」


「レティーナ!」


 あたしのセリフにカイヤがそう声を挟む。


「ごめんカイヤ。でも、やっぱりあたしバルカをほかっておけないよ」


 うん。あたしが生きてる証。大聖女様に色々と教えて貰ったこと。それが魔王バルカに対抗するためだったのだとしたら。


 あたしは頑張りたい。そう思うんだ。


 それに。


 この世界がどうかなっちゃうのをみすみすほかってはおけないから。


「頼む、レティーナ。もう君だけが頼りだ……」


 そう頭を下げるクラウディウス様。


 結界をずっとはりつづけていた時と違って、もしこの魔力を使って世界が救えるのなら。


 あたしはすごく嬉しい。



「あたし、行きます。そのダンジョンに」


「しょうがないな。レティが行くというならボクもついていくからね!」


「あたいだって。あたいだってレティシアの役にたちたいもん!」



「よろしく頼む……。お願いだ……」


 そう再び頭を下げるクラウディウス様。あたし、頑張ってくるよ。

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