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間に合わない?

 バタバタバタと外が慌ただしくなった。人がドカドカと何人も入ってきて。


 その中には見覚えのある人もいるような?


 っていうか聖女宮に居たメイドさん? 覚えのある顔が数人いるかも。


 って、ここ、もしかして聖都? それも王宮?


 お医者さんみたいなお爺さんが呼ばれて診察されて。


 最後に魔力の測定器みたいのが当てられたけど、どうやら反応がなかったみたいで首を振っている姿が見える。


 ——レイスのゲートを閉じてると魔力紋も検出できませんしね……。


 そっか。ならなんとか開けないと。


 そうは思うんだけどバタバタ出入りする人が多すぎて集中できない。


「あの……。一人にしてもらえません?」


 そう声に出してみたけど思いっきり拒否された。


「できません! もしその間にあなたに何かあったらわたくしたちどうしたらいいのか……」


 メイドさんたちはそんな反応だ。どうしようか。



 ——ごめんねレティーナ。流石にもう間に合わないかもだよ……。


 って、何が間に合わないの?


 ——魔王バルカ。もう流石に結界も解けてるだろうし外に逃げられたかも……。


 えー?


 って、それって大変じゃない!


 ——わたしが迂闊だったよ……。まさか出られなくなるなんて思ってなくて。封印が解けたあとなんとかわたしの結界で封じ込めてたんだけど……。


 はう。ごめんなさい……。


 ——ううん。あなたがこんな状態になったのもわたしが送り込んだ情報が多すぎて麻痺しちゃったのだと思うから……。


 ——それに。時間の問題ではあったんだ。わたしだけじゃもう抑えるの限界に来てたから。だからあなたの力を借りようと欲を出しちゃった。


 しょぼんとしているレヴィアさんのイメージが伝わってきた。


 もう! レヴィアさん! そんなに落ち込まないの!


 逃げられてたらそれはそれでもうしょうがないよ。それよりもこれからのことを考えなきゃ。きっとあのグリフォンと合流してるだろうし。


 ——そう、だよね。ごめんありがとうレティーナ。



 でも。だとしたらこのままここに居てもしょうがないか。


 なんとかしなきゃ。




「ねえ。お風呂に入りたいんだけど、ダメですか?」


 とりあえずそう聞いてみる。


「ああでは湯浴みの準備を致しましょう」


 はう。行けるの? かな?


 お風呂ならきっとリラックスできるだろうし周囲もここまで雑音がないだろうし。ゆっくりお風呂に入ればなんとかレイスのゲートも開く事が出来るかもしれない?


 そう期待して。



 周囲はメイドさんたちに囲まれて、だけどなんとかお部屋からは出して貰えて。そのまま宮殿の中にある大浴場まで連れて行かれたあたし。


 っていうかやっぱりここは宮殿の中だよね。これだけの調度品にここまでの広さがある建物なんか他には無いもの。


 メイドさんが三人ついてきたけどなんとかそのまま湯船に漬かり、意識を底まで潜らせた。

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