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嘘。

「カッサンドラ様が転生って、どういう事!? 2000年も前の人でしょうカッサンドラ様って」


 大預言者カッサンドラ様。


 皇帝の妹でありベルクマールの勇者の妻。聖王国の王室のご先祖になるよね?


 そんなカッサンドラ様があたしを産んだ? どういうことよ!


 《あやつは自分の転生先を操れる。遥か未来の事象を操るチカラを持っておった。魔王が復活するだろうという時期に合わせてその時代に転生しておったのだ》


 はう!


 《この時代ではそう、確か大聖女と名乗っておったよな》


 ドクン!


 心の底で何かが弾けた。


 《大聖女サンドラと名乗っておったと聞いた》


 ドクン! ドクン!


 う、そ。


 動悸が激しくなる。


 心臓がドクドクいっているのがわかる。



 あたしは、大聖女様に拾われた、孤児、だった。


 お父さんの顔もお母さんの顔も覚えて居ない。


 まだ赤ん坊の時に孤児院の前に捨てられていた、そう聞いている。



 もしかして、それも全部嘘、だった?



 あたしは大聖女様に愛を教えて貰ったと思っていた。けど。


 全部全部、ウソ、なの?



 空っぽだったあたし。


 その空っぽのあたしを作った、生み出したのが大聖女様だっていうの?


 器として利用する筈だったって事なの!?




 悲しい。


 心が張り裂けそうだ。


 あたしって存在は全部嘘で出来てたんだ。


 大聖女様の優しさも、みんな嘘だったんだ!


 どうして!



 あたしは何かに縋りたかった。そのままじゃもう心が持たない。


 そんな時、ふっと思い出した言葉。


「もし危険な事がおきてどうしようもなくなった時は、その龍玉を通じてわたしに呼びかけて下さい。力になれるかもしれません」


 レヴィアさんが残してくれたその言葉。それしかもうあたしには縋れるものが無かった。



 お願い、レヴィアさん。


 あたし、もうダメ。心が耐えられない。


 助けて。


 おね……がい……。












 あたしのいた場所、その空間がぐねん、と、歪んだ。


 空間がひっくり返るような気持ち悪さを一瞬感じて、周囲の色が消え。


 そしてまた次に光が戻った時。



 あたしは見覚えのある湖のほとりに立ち尽くしていた。


 目の前には人の姿をしたレヴィアさんがエメラルドグリーンの光を纏い、佇んでいたのだった。

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