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馬車隊。

 ——馬車が! 人がいる!


 あ! ほんとだ!


 紅い街道のはるか向こうにある砂塵。それが魔のたぐいだっていうのは魔力が感知できるから間違いないけれど、その手前にどうやら人間の馬車がある?


 カイヤが見つけたその馬車、二つ三つ連なってる? 商隊の馬車だろうか?


「あたしちょっと様子を見てくるよ!」


 人がいるならほってはおけない。


 あの位置だと目の前の砂塵が魔物だとわかって居ないかもしれないし、危険だ。


 ——一人じゃ危険だ!


「ごめんカイヤ、まず様子を見てくるだけだから」


「ダメ! レティシア、あたいもいく!」


 ——そのまま魔獣との戦いになるかもしれない。避けられそうにないならみんなで行こう!


 はう。


「じゃぁ馬車はここに残して飛ぶよ!」


「うん!」




 あたしは聖都で怒りのあまり変身した様に龍化をもう1段階進める。でもってマトリクスの上書きをする事で全身に龍の鎧を纏い背中には龍の翼を生やしてそのまま飛ぶ!


 ティアも龍のシズクを手に取りその姿を変える。龍人そのもののその姿。手足は龍のそれに近い形へと変化し頭にも龍のツノが伸びる。背中にはあたしと同じ龍の翼。


 カイヤはその身体を黒豹のようなシルエットに変化させた。空は飛べないけどその走るスピードは空を飛ぶあたしたちにも引けを取らないぐらいには速い。




 そのまま馬車隊の近くまで飛ぶとどうやら様子が怪しい。もう既に周囲を魔獣に囲まれている? 


 ハウンドウルフの群れが馬車を取り囲みそれに対して守りを固めている様子が見て取れた。


 ダン! という衝撃音が聞こえ、それを合図に飛びかかるハウンドウルフ達。


 馬車の中からダンダン! という衝撃音が続く。


 跳ね飛ばされる数匹のハウンドウルフ。しかしそれも構わず馬車に食らいつき幌を破り散らす魔獣達。


 このままじゃ中の人が危ない!


 あたしは両手に風の魔法を纏いそのままハウンドウルフに向かって振り下ろす。


 風のヤイバがその魔獣を引き剥がしそしてそのまま切り刻んだ。


 中からは相変わらずダン、ダン、と魔弾のようなものが放たれる音。


 あたしとティア、そしてカイヤはそんな魔弾を掻い潜りながらハウンドウルフに相対した。



 時間にしたらほんの数刻。


 ティアはその鋭い爪と脚で空中から襲う。


 カイヤはハウンドウルフの喉元にその鋭い牙を立て。


 あたしは右手に顕現されたドラゴンスレイヤーで薙いで行く。


 背後の魔弾があたしたちをも襲っているのはまあしょうがないとして。


 それを掻い潜りながらなんとかハウンドウルフの群れを倒し切ったあたしたちの背後に、一人の男性が現れた。


 手には筒のようなものを構えている。




 その筒の正面はあたしの胸元をしっかりと狙って居た。

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