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転生少女、の、不安。

「えっと……、コルネリアってさっきからサーラ……」

 そう呼んでたよね?

「ああ、私コウラスが本名なんですけど、姉たちみんなコルネリアだから私もそう呼ばれる事が多くって。この格好だとコルネリアの方が通りが良いのでそれで通してますー」


 ってことは?


 やっぱりあなた……。


「ああ、この子一応性別は男の子なの。でも、なんていうかな、もうこのまま? わたしも最初は驚いたけどラインハルトさま曰く、騎士科の姫? っていうかアイドルだったって話」


 えーっと、サーラは知ってたんだ。


「サーラ様、姫とかアイドルとかひどいです。私そんなキワモノじゃないですよお」

「もうすっかりミニスカートの騎士服が板についちゃってて今更、よ。コルネリア」


 真っ赤な詰襟の騎士服は肩に金の肩章、飾緒も綺麗な金の房で豪奢だ。

 そして下はやっぱり真っ赤なミニスカート。縁取りはやっぱり金のレースでかわいい。

 膝まである編上げブーツは黒、太ももが少し見えるけど、うん、これ、やっぱりどう見ても男の子には見えないかあ。

 まあ胸も無いからどうなんだろう? だけど、かっこいい系の女性騎士、ってイメージかな。


「以前のピンクの騎士服も可愛かったのよ」

 と、サーラ。


 うん。かわいいは正義、かな。


 ☆


 お昼の休憩が終わりわたし達は仕事に戻ったんだけど、サーラも一緒だもんだからコルネリアもずっとくっついてきた。


 トロ達を撫でて褒めてあげてから次の指示をだして。

 厨房で料理長にお昼の賄いのお礼を言ってから晩御飯の下ごしらえを魔道具でやって。

 お洗濯のドラム缶みたいなドラム。最近手が生えたっていうか、アームをサーラとリーザがとりつけたんだけど、なんだかゴーレムが自分のお腹に洗濯物を放り込んだり取り出したりしてるみたいになった。

 足がないから移動はしないんだけど。

 で、取り出した洗濯物は、これまたアームが付いたトロが運ぶ。

 干し場のテラスに運んでよっこらよっこら干している姿はかわいいんだけど……。


 うん。まだまだね。


「リーザ、干すのはわたしたちでやろ?」

 リーザも頷く。


 トロが運んできた洗濯物をもらい、干していく。

 パンパンとはたいて物干しにかける。

 うん。きもちいい。


 真っ白なシーツが綺麗に並ぶとなんか嬉しくなる。


 リーザもサーラも、そしてコルネリアも一緒になって洗濯物を干してくれて。

 全部干し終わった時にはみんな満足顔になっていた。


「なんかこういうのも達成感があって良いですねー」

 笑顔でそう言ってくれたので。




 わたしの中でコルネリアの好感度が一気に上がった。


 ⭐︎⭐︎⭐︎



 夕方、お仕事終わる前にサーラから、

「コルネリアの歓迎会兼ねてお食事会しませんか?」

 って夕食に誘われた。


 わたしとリーザを招待してくれたみたい。


 リーザはここに住んでるから問題ないとして、わたしは一度お家に帰らなきゃなのでどうしようかなって思ってたら、


「もしよかったらそのまま亜里沙ちゃん泊まっていかないかなぁ」

 って、サーラ。

 サーラのベッドは広いから、サンドラと三人で寝ても全然余裕だって。


 お泊まりかぁ。

 どうしよっかなぁ。

 流石にほかの人に悪い気もしなくもないけどわたしみたいな平民がサーラ公主のベッドで寝るなんて、とか。

 アスターニャさんとかも流石にそれはダメって思うんじゃないかな、とか。

 口では言わなくても、ねぇ。


 そんな風に思って躊躇してたら、


「ダメ、ですか……?」


 そう上目遣いで言うサーラに、ちょっとドキッとして。


「せめてベッドが別ならー」


 とか喋ってた。


「じゃぁ……、残念ですけど客間を用意しますね……」


 うう、残念って。

 うん、でも、お泊まり会、かぁ。ちょっと楽しそうだ。


 ☆


 とりあえずお家まで走って帰って、おかあさんに晩御飯いらないよって話して、お泊まりの準備して。


 ……あうあうおはよー。


 ああ、ナナコおはよー。


 最近ナナコ、昼間寝てる事がおおい。っていうかナナコも寝るんだ、って、最初はびっくりだったけど。


 ……はんぶん寝てたけどうっすら聞こえてたよー。今夜はお泊まりなんだって?


 うん。ちょっと楽しみ。


 ……カッサンドラとは随分あってないかなぁあたし。ちょっと話があるんだけど……。


 え? なになに? なんの話?


 ……うん。ちょっと心配ごとがあるんだ。カッサンドラの力でちょっと見て貰いたいの……。


 うきゅう。そっか。


 今はまだ、たぶんわたしには話したくない事なのかな?


 言葉を濁すナナコに、それ以上はつっこんで聞くことはできなかった。


 でも。


 わたしにも、ちょっと不安があるんだ。

 ナナコ……。


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