転生少女、みんな大好きデス。
アリシア、朝よ、ご飯できたわよー
ち、ち、ちっ、っと小鳥の声がする。
うん。朝だ。気持ちのいい朝。
にゃーおん
クロコもおはよー。
……おはよーアリシア。
おはよーナナコ。
うん。今日も頑張ってお仕事行くぞ。
朝ごはんは納豆とタマゴ、海苔に鯖の塩焼き。
美味しい。
「おかあさんありがとね。おいしいよ」
「うん。アリシアはそう言って美味しそうに食べてくれるから。ほんと作り甲斐があってうれしいわ」
あは。ほんと、お母さん、大好きだよ。
「行ってきますー」
わたしは階段を駆け下り街を走る。
「おう、早いな。頑張っていきなー」
「あんまり走るとあぶないよー。ほら、これ持っていきな」
「ありがとうおばさん。わぁ。美味しそうなりんご」
「今日もいい天気だねー」
「ほんといい天気。気持ちいいですねー」
わたしは声をかけてくれる街の人に挨拶しながら走り抜けて大門まで辿り着く。
「おはようアリシア。待ってたよ」
「おはようございます。今日も頑張りましょう」
「リーザおはよう。サーラはいいの? こんな所出てきて」
「いいんですよー。わたしもみんなと一緒に体動かすことにしたんですから」
そういうサーラ。もうすっかり馴染んでる。
表向き公主として活動する場合はカッサンドラ様が表に出ているらしい。
普段のサーラは、もうすっかり使用人皆と打ち解けて馴染んでる。
最初は流石に公主様と一緒に働くなんて、っていう人も多かったけど、災害復興で一緒に色々活動しているうちに馴染んだらしい。
うん。いいよね。身分差とかそういうの、考えすぎなくても。
サーラはサーラだし。ね。
ほんと、この世界のみんな、大好きだ。
わたしはアリシア。なんのへんてつもない、ごくごく普通の転生少女、デス。




