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黒焔の帝は存命中  作者: ピッコロん
一章 唯一の生き残り
7/13

7 シフォニーの料理

ちょっと長めかも

マルクとオリントラはシフォニーの誘いに乗り、シフォニーの住処へ案内されることになった。


「助けてもらった上に、捜査の協力とご飯まで食べさせてくれるなんて感謝しても感謝しきれないよ。」


マルクが嬉しそうに言う。それは単純に彼女の行為に対してだろうか、それともただ昼食が今すぐとれるということの喜びだろうか。


「いいのわよ、別に。私も暇だし、人助けは好きだし。」


「ところであんたの仲間っていったい誰なんだ?」


オリントラが口をはさむ。


「職場仲間ってところかしら。私はね、そこで住み込みで働いているの。」


「それってどこなの?」


「ま、ついてからのお楽しみね。」


そして15分ほど歩いたところ三人はとある敷地の前まで来たのだった。



「ここが私が住み込みで働いているお宮よ、どう、想像とずいぶん違ったかしら?」


その屋敷を前にしてに手を広げウインクするシフォニー。


「おわー、すごい!」


マルクはその光景を目にして感嘆なる思いになる。それもそのはず、三人の目の前にそびえたつのはそれも大きなお屋敷だったからだ。木造建築の瓦屋根に、漆喰の壁、まさしく和の建築物といったものだ。大きな鳥居を入口とし、そこから延びる石畳の道がお宮と別の方向に分岐している。


「ここって…神社じゃないか。それも幸運の神のハピネスを祀った樫神社だよな。」


「ええ、兄貴知ってるのか?僕はこんなとこ来たことも聞いたこともないよ!」


「いや、一般常識だろ。少なくともルージェに住む人々ならみんな知っているはず。」


「驚いた?私ここの巫女なのよ、すごいでしょ!」



たしかにこんなにも大きい神社で働くのは仕事もたくさんあって大変なことであるはずだ。彼女がこんなところで働いているのであれば、とんだ関心ものだとオリントラは考える。


「一人で働いているのか?住み込みで?」


「ええ、そうよ。」


「家族と住んでいるのか?」


「…いいえ、私ただ一人よ。私には、家族がもういないもの…。」


急に寂しそうな顔をするシフォニー。その顔にはなにか別の感情がまだあるような気がした。


「……悪かったな。」

謝るオリントラにシフォニーは一瞬動揺した。


「いいのよ、ここは居心地のいい場所だもの。」


頭から何かを振り払うようにううんと頭を振るとシフォニーは元気に歩き出した。


「まず情報を持っているかもしれない人に合わせてあげたいけど、多分まだここに来てないと思うわ。だからまず私がもてなすのが先ね。」


「それはありがたいな。」


シフォニーは鳥居をくぐり、神社の横を通ってお宮へと向かっていった。オリントラとマルクも続いた。


「お宮はね、私たち使用人が働いているところよ。たくさんのお客様用の部屋や倉庫、いろんなものが集まる巨大な二階平屋建ての建物なの。この神社の敷地の半分以上を占めているわ。」


「へー、それにしても本当に大きいな、このお宮ってもんは…。」


あたりを見渡すとお宮はコの字をしていて真ん中に神社がある。神社の周りをお宮で取り囲んでいる形だ。お宮の右手には大きな池もあり巨大な鯉や亀が優雅に泳いでいる。水上には蓮が浮かび、その上でカエルがゲコゲコと鳴いている。神社の裏手には気が多い茂った小さい林が広がっていた。


「ここが私たち使用人用の出入り口よ。靴は脱いで上がってね。空いてる靴箱に放り込んでおいていいから。」


三人は玄関に入り、靴を脱いで上へあがる。木製の床板がミシミシと軋んだ。木造家屋の独特な樹木の香りがオリントラ、マルクの鼻を刺激する。


「うーん、いつになってもこの香りはいいわね。この古臭いようで温かい、心が落ち着くわ。」


マルクとオリントラもウンウンとうなずく。


「ここからちゃんとはぐれないようついてきて。あなたたち、はぐれたら外に出れないわよ。」


彼女は念を押す。オリントラはなぜかと思ったが、それは内部はとても広く複雑で曲がり角やT字路がたくさんあるからだった。オリントラも進む途中から来た道を把握出来なくなっていた。

ふすまに囲まれた和室もあれば以外にもドアのある普通の部屋もあり、なんだか重くかんぬきが絞められた謎の部屋まである。


「こりゃ、まるで迷路だな…。どの部屋がなんなのかわからんぞ…。」


「迷ったらでられなくなりそうだね。」


「お前、はなれるなよ?…振りじゃねえぞ?」



また、広さゆえ、人気もほとんど感じない。どしどしと自分の足跡が響くだけだ。何度かほかの使用人とすれ違いもしたがそれでも人気がない。


「なあこのお宮にほかに何人、人がいるんだ?」


「えっと10人くらいかな。この広さだからいつもこんな感じよ。」


「へー。静かでいいな。」


道中右側が壁のない、池と面している廊下いわゆる縁側を通った。優雅に泳ぐ鯉やカエルがゆっくり見えるリラックスできるポイントらしい。



とその時


「あっシフォニーお姉ちゃんだやっと帰ってきたんだ!」


前の方から小さい子供たちが男の子女の子合わせて10人くらい駆けてきた。


「もうどこ行ってたのー!」


「おそいよー。」


シフォニーにまとわりつく子供たち。


「あなたたち、来てたのね。ごめんなさい、私すこし用事があって留守にしてたの。あとで遊んであげるからね。」


子供たちに向かってほほ笑むシフォニー。


「あの人たちは誰?」


子供たちがオリントラとマルクを探るような目線で見ながら指さした。


「ああ、お客さんよ。この人たちと用事があってね。」


こちらをじろじろ見てくる子供たち。どうやら観察されているらしい。


「ああ、やっぱり子供はかわいいな。僕も見ているだけで自然とほほ笑んできちゃうよ。」


「そうか?なんかじろじろ見られて俺はいやだな。」



「用事終わったら相手するから、それまでおとなしく待っているのよ。」


「はーい。」


元気よく駆けだしていく子供たちを見る三人。

「あっ、ごめんなさい。あの子たちは親が仕事で忙しかったりして、ここで預かっているの。勉強を教えたり一緒に遊んだりするのよ。」


「シフォニーって本当に優しいんだね。」

マルクがまるで神様を見るようなまなざしでシフォニーを見ている。尊敬のまなざしだ。


「ありがとう。」


そんなこんなでシフォニーは二人をある部屋に案内した。


「ここよ、私限定の食堂!といってもただの食事する部屋なんだけど。」


そこは食器が入っている棚と長机が置かれているだけの部屋だった。マルクとオリントラは席に着く。


「あなたたちには私の手料理をふるまってあげるわ!こう見えて私、料理には自信があるのよ。」


「手料理まで作ってくれるの!?いったいどんな料理が運ばれてくるのか…。想像するだけでよだれが…!」


マルクはよほど腹が減っていたのか、よだれをすすり、あらかじめおかれていたスプーンを握り締める。


「まあ、ちょっと待ってて。すぐ作るから!じゃあね。」


そう言い残すとシフォニーは裏へ消えていった。調理場は別のところにあるらしい。

部屋の中はマルクとオリントラだけが残された。


「楽しみだな!妖狐の料理。カレーライスとかかな?」


マルクは目をときめかせる。


「そうかもな。」


オリントラはどこか遠くを見ていた。その様子を見ていたマルクが


「どうしたの?お腹でもいたいの?」


と聞いてくる。オリントラは


「いや、何でもねえよ。それよりこの二本の棒のこれはどうやって使うんだ?」


といわゆる箸を指さす。


「確かに、ええとこうかいや…。」


試行錯誤し始めるマルク。



実はオリントラには何か引っかかるところがあった。

それはなぜあの妖狐がここまで親切にしてくれるかということだ。人探しの捜査の協力をしてくれる上に手料理まで振舞ってくれるときた。そしてその笑顔の奥になにかあるような気がするのだ。


「いやマルク、こうじゃないか?」


オリントラも箸をいじり始めた。別になにか今の考えに根拠があるわけではない。オリントラは気にしないことにした。


「こうやって、片手に一本ずつ握り締めるでしょ、そんでこう二本の棒でぶっさしてたべるんじゃない?」


マルクは箸の一本一本を手で握り締めてなにかを刺そうとするジェスチャーをする。


「いやいやお前、そうやって持ったら、小さいものや米とかそういうの食べれないだろ。

こうだよ、人差し指と中指で一本を挟み、薬指と小指でもう一本挟む。それでこうやって食べ物をこの棒を開いたり閉じたりして挟んで食べるんじゃないか?」


オリントラは二本の指でそれぞれ棒を挟み、それを開いたり閉じたりする。その様子を見たマルクも真似をしようとするが、うまく箸を動かせず落とすだけだった。


「うう、兄貴どうしてそんなうまくできるんだよ、器用すぎるよ。」


「まあ、エルフには無理だな、俺みたいに器用じゃないと。」




しばらくして、シフォニーが戻ってきた。あたりには何やら香ばしい匂いが漂い始めている。


「できたわよ!私渾身の料理が!」


「おお、それは楽しみだ!」


箸いじりをやめ、喜ぶマルク。


シフォニーは大きな皿を手に抱えている。蓋が閉じられ何が入っているのかはまだわからない。


「行くわよー」


皿が置かれふたが開かれる。


「ジャーン、カエルのスパイス丸焼き!」


とエプロン姿の彼女は笑顔でドンと料理の蓋を開いたのだった。


そこには丸焼きにされたカエルがいた。


それの見た目は強烈で一瞬マルクは動きが止まった。


「カッカエル?ちょっと予想とずいぶん違うテイストだよ…。」


とマルクはカエルをまじまじと見つめる。それもそのはず、このカエルは丸焼きなので見た目がそのまんまカエルで、焦げた皮膚や焼け落ちた目玉が少しグロテスクだ。


「どう、おいしそうでしょ?新鮮なものを使ったんだから絶対おいしいわよ!」


と得意げにするシフォニー。


「新鮮なのって…。もしかして裏の池にいたやつを使ったのか?」

道中の池の中にいたカエルを思い返すオリントラ。


「もちろんよ、さっきまで飛び跳ねていたわ。」



マルクはなかなか食べられずにいた。フォークを握ってかたまっているのだ。


その様子をみたシフォニーは

「おいしいから食べてみて、ちゃんと泥臭さとか内臓、骨も取ったし8種類のスパイスで味付けたから!」


それを聞いたマルクは恐る恐るカエルを口に運び、かぶりついた。目をぎゅっとつむっていたのだがその瞬間驚きの表情に変わる。目を見開き、口をもぐもぐと動かす。そしてごっくんと飲み込むとこう一言。


「おいしい!」


マルクはその途端むしゃむしゃとカエルの肉にかぶりつき始めた。

その様子を、でしょ?といわんばかりにシフォニーがほほ笑む。


「カエルはうまいよな、俺も昔はカエルを一気に捕まえてそのまま腹に流し込んでいたくらいだ。お前にもそのおいしさが分かったか。」


とオリントラはカエルを一飲みにしながら言う。


「まあ、あなた大きい口をもってるのね。」


とシフォニーが言った。


「ああ」


と返すオリントラ。何か見透かされたような感じがした気がした。

そんな違和感を気にする前に、シフォニーが空になった皿を見て、


「もうなくなっちゃったの。大食いね。安心して、まだまだ持ってきてあげるわ!」


と立ち上がりまた奥へと消えてった。



「いやーおいしいな、カエルは。うん、待てよ、これがおいしいって感じられるのは、カエル自体がおいしいんじゃなくてシフォニーの料理がうまいからなのかな?さすが料理上手だね!」


とマルクは口を拭いながら言う。


「いやいや生で食べるカエルもなかなかそそるぞ、あのプリッとした感じがおいしいんだよ。もちろんこっちの料理もおいしいけどな。」




またしばらくして、シフォニーがまた皿を抱えて戻ってきた。


「今度は何を持ってきてくれたんたの?たのしみだよ!」


「ありがとう、今度も驚くわよ?」


テーブルに皿を置くシフォニー。そして勢いよく蓋を開ける。



「ジャーン、ゲリゲーターのコンソメスープよ!」



「!?」


マルクは声にならない驚きを上げる。それも、このスープにはゲリゲーターの頭が丸々一個入っていたからだ。その見た目はいかついもので、ゲリゲーターは大きな顎、鋭い歯、うろこに覆われた体、そして二本角が生えている。そんな恐ろしい生首が入っているものだから驚くのも当然である。


「なんだなんだ、カエルの次はゲリゲーターだと?あんたの作る料理、なんか奇抜だな…。」


困惑するオリントラ。


「いや、私がおいしいと思う料理を選んだだけよ。このゲリゲーターのスープもおいしいわよ?ゲリゲーターっていい出汁が取れるのよね。それがコンソメとよくマッチするの。」


「なるほどな」


マルクはまたもその見た目に困惑したが、さっきの経験があってかスープをすすり始めた。そしてこんども同様に


「うまい!」


と叫んだ。


「なんだこの味、いままで食べたことがないよ!?コンソメのしょっぱい味の上にのるうまみ、そしてかすかに香る磯の匂い。おいしい!ねぇ、この頭は食べられるの?」


「さすがにそれは出汁をとるためのものよ、食べないわ。食べれないことはないけど、とても固い肉だから噛み切れないわよ。」


さすがに無理だとマルクとシフォニーが思う中、とある一本の腕がゲリゲーターの生首をつかんだ。


「いらないのならもらうぜ。」


そう言って口元に運んだのはオリントラだ。オリントラはゲリゲーターの頭にかぶりつくとガリっと二口三口で平らげた。ゴリゴリと口を動かすオリントラをマルクとシフォニーは驚愕の思いで見ていた。


「うん、火が通っているからそのままよりは全然固くないな。ありだ。」


「いやあなた、どんだけ顎が強いのよ、口の大きさといい、口回りが発達しすぎじゃない!?」


「さすが兄貴、そんな固そうな肉も余裕だね!」


「全然柔らかいほうだったぞ?」


オリントラは口をベロで舐めた。




シフォニーそれからというもの、料理がなくなるごとに様々なものを持ってきた。

巨大キノコのソテーや何かよくわからない虫の炒め物、ウニャギのかば焼き、これはぜんちょう2mあるすごい細長い魚だ。その見た目は強烈でも、どれもこれも非常においしく、満足いくものであった。

そしてついにシフォニーは最後の締めを持ってくるといい、厨房へ向かっていった。


「いやーどれもおししい!シフォニーの作る料理は最高だ!」


膨れたお腹を叩くマルク。


「そうだな。俺も最近食べてなかったものをたらふく頂いていい気分だ。それにしてもシフォニー、戻ってくるの遅すぎないか?もうここを出てだいぶたったはずだが。」


「なんか一番手を込めるとか言ってたから時間がかかるんじゃない?なに兄貴、そんなに楽しみにしているの?僕といっしょだね!」


「いや、別にそういうわけではないな…。」


オリントラは気づく。なにかあたりに少し刺激的なにおいが立ち込めてきていることだ。なんか妙に気になる匂いだった。


「ちょっと見てくる。」


オリントラは急に立ち上がり、扉を開けて出ていく。


「お、おお」


部屋に残されたマルク。


調理場は案外すぐ見つかった。といっても漂う匂いに沿って行っただけではあるが。調理場のドアの小さい隙間から匂いが漏れてくる。オリントラはドアを開けて入ろうとしたが中からなにやら聞こえてきて、足が止まった。



シフォニーの声が聞こえてくる。何やら独り言をつぶやいている。しかしその声は小さく、聞き取りにくい。オリントラは耳を澄ます。


「さあて、どうしましょう、これにしようか、それともこっちにしようか…。あっでもこれじゃあのエルフちゃんも…。まあいいわ関係ない…。」


オリントラはその言葉がやたらと気になった。いったい何をいっているのだ?少なくともこのドアを開けて中に入ってはいけない雰囲気ではある。


「煮込みすぎないよう…。よし、これで完成だわ。」


よいしょと持ち上げ、こっちに来る気配がしたオリントラは慌ててマルクのもとへ戻った。


ばたんと勢いよくドアが開けられ、オリントラは戻ってきた。それを見たマルクは、


「どうしたの?」


と聞いてきたがオリントラはなんでもないと言うきりだった。



そのあとすぐシフォニーが入ってきた。


「ごめんね、遅くなって。やっとできたわよ、渾身の締めの料理が!」


彼女の額には汗がにじんでいた。


「おお、待ちくたびれたよ!」


「まって、今置くわ」


彼女はよいしょと皿を置くと、いくわよ? とこちらを見て、勢いよく蓋を開けた。


「おおー、?」


その料理は今までとは違う、いたってシンプルなものだった。


「野草てんこ盛りのバターソテーよ!」


それはよくある野草のバター炒めだった。別に見た目にインパクトがあるわけでもなかったし、食材が不思議なものであるわけではなかった。


「う、うまそう。だがなんかある意味ちょっぴりがっかりというか。」

いままでの方向性との違いで少し困惑するマルク。


「なによ、私がそんな奇抜なものを好むわけじゃないって言ったでしょ、おいしいと思ったものを出すだけだわ。ささ、冷めないうちに食べて、ほらあなたも。」


シフォニーはオリントラにも勧めてきた。


「そうだね、味がおいしいもんね、シフォニーの料理は。」


マルクはその料理を皿に取ろうとする。


その時、


「まて」


とオリントラがストップを入れた。


「なんで?早く食べようよ、冷めないうちに。」


「いいから。ちょっとかせ。」


とオリントラは料理の盛りつけられた皿を手に取る。


「どうしたの、食べないの?」


こっちを見てくるシフォニー。

オリントラは料理の皿を見つめ、クンクンと匂いを嗅ぐ。そしてその料理からオリントラはさっき嗅ぎ取った刺激的なにおいを感じる。

オリントラは皿から顔をはなすと大きく息を吸い、


「フッ!」


と息を吹きかけた。


「ちょ、ちょっと、何やってるの!?」

そんな様子をみて慌てるシフォニー。


するとオリントラはこういった。


「ちょっと火の通しが足りなかったみたいだぜ?」


オリントラはどうやら熱風を吹きかけたらしい。皿からは湯気が上がっている。

これでよしとオリントラは皿を置いた。


「いやなんかちょっと変なにおいがしてな、野草はしっかり火を通さないといけないものもあるから一応。悪いな。」


そうオリントラはシフォニーに言った。


「…そうなの。それはごめんなさい。うっかりしてたわ。」


シフォニーは申し訳なさそうにうつむいた。


オリントラはそんな彼女の様子を黙ってみていた。



そしてシフォニーは顔を上げると

「じゃあどんどん食べて!」

と笑顔で言うのだった。


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