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あのことボク

町はクリスマスイブの夜、カップルそれぞれが主役であると主張するように人間が1つになろうと必死に色々絡ませていた。それは結局3からいくつと増やす行動であるかもしれないけれど、目先の事は欲に過ぎず、肉である。

スチールのペダルを漕ぎ寒空を裂くように彼は急ぐ、「顔が寒いな」剥き出しの頬は寒さで赤らんでいた。

いわゆるママチャリは割とスピードを上げ、わずかに早く目的の宅に到着した。

「遅い!」彼の姿を見ると彼女は言った。

「ごめん」彼はその後に続く言葉もあったが飲み込んだ。せいなる夜に言い訳は不粋であろう。

彼は(みのる)と言い。彼女は春香(はるか)と言った。交際に至り3年、知り合って16年、深い幼馴染だった。

稔は春香が好きの特別だった。

春香は、選択しただけ、たくさんの蜜蜂の中から彼にも許可を出した。彼女は彼がそれを知った時に傷つくと思いもしない。


自転車のステップに立った彼女の胸はペダルに力を込めた稔に押しついた。硬めのブラジャーの感覚が背中越しに伝わる。

高校生カップルは蒼く……危ういバランスで成立していた。


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