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プロローグ

「よっし!魔王はこれで攻略完了っと。」

僕たちは待ちに待った最新のゲーム「初めての勇者」を僕たちは発売日から死ぬ気でやりこんで、三日かけてクリアしたところだ。

「ねぇあっくん、他に何かぁ、臨時のクエストとかあったっけぇ?」

手馴れた感じで彼女が髪を掻きながら答えた。彼女、カナは僕のゲーム内での最高のパートナーかつ、僕の幼馴染だ。幼少期の頃から二人でありとあらゆるゲームを二人で攻略してきた。

「だから、普通にアキラって呼べって何度も言ってるだろ・・」

軽くため息をつき、カナの方にもたれた。三日間ほとんど寝ていないので僕たちはもう会話をするので精一杯だった。

「それにしてもぉ、このゲームぅ、難しいっ、て話題だったけどぉ、過去一で大変だったねぇ」

このゲームの一番の難所はセーブがほとんどできないというところだ。セーブができないので、難易度の高いクエストと知らずにノコノコ挑戦して何度やり直しを食らったことか・・さらに一度、死ぬと持ち物がほとんどなくなるというのもなかなか厄介だった。

「そうだな・・しばらくはもうゲームしなくていいかも」

目をトロンとさせながら話を続けた。無理にでも話を続けないと、今すぐにでも寝てしまいそうだ。しかし、この僕の発言後、彼女が急に黙り込んでしまっていた。しばらく耳を立てていると彼女から可愛らしい寝息が聞こえてきた。

「はぁ、やっぱりか・・」

僕は一人でこのゲームの魅力である、「クリアまでの経過時間グランプリ」というサイトにログインした。このゲームはこの異常な難易度から、発売前から、製作者から一番最初にクリアした人の願いをなんでも叶えると宣言していたのだ。

心臓の鼓動が早くなるのを感じながら、そのサイトにログインした。ここのサイトに僕たち以外の名前がなければ願いは叶えられる。手が震えてうまくコントローラーが上手く操作できない。一旦、深呼吸をし、気持ちを落ち着け、意を決し僕はサイトを開くと、そこには僕たち二人のタッグ名以外に一つ、名前「七音」と書かれていた。

「くっそーーーー!!!」

体の中から溢れ出してくる、悔しさを制御出来なかった僕はとてつもなく大きな声を出し、立ち上がってしまった。僕にもたれかかっていた彼女がストンとこける。僕は彼女の肩を大きく揺らし、顔を近づけて起こした。

「おーーい!!早く起きろぉぉぉ」

すると彼女は眠たそうに目を擦り、大きくあくびをして腕を伸ばした。眠いのはわかるがせめて今は起きといてくれよ・・

「あぁ、ゲームの結果ぁ?惜しかったねぇ。」

普段の甘ったるい声に加えて、眠気が声にのるともはやその声は幼稚園児のようだった。昔からなんだかこの声のせいで彼女には本気で怒れない。

「しかも見ろよ、一位になったやつの要求。「このグランプリで二位の人と一緒にゲームを作りたい」なんで二位の僕らを巻き込んだの?嫌味かよ!」

呆れているのと悔しいので、机をバンバン叩いていると彼女が口を開いた。

「あ、あっくん、メールぅ届いたよぉ」

しばらく使っていなかった、パソコンを彼女が指さした。何も開いていないし、音もなっていないのに・・僕はため息をつき念には念を押して・・と自分に言い聞かせてパソコンを開き、電源をつけた。するとそこには驚くべきことに、本当に知らないアドレスからメールが届いていた。僕は開いた口がふさがらなかった。

「カナ・・お前エスパーなの?」

かなり大げさなリアクションを取りながら、彼女に聞いてみた。

「エスパーぁなんて言葉、まだ使っている人ぉいるんだんねぇ」

心底、どうでもいい返事が返ってきた。それを言うならお前の話し方はどうなんだよ。まあ、彼女の行動全てに突っ込んでいたらキリがないのでとりあえずそっとしておいた。

「どーせ、迷惑メールとかだろ?」

心のなかでほんの少し期待している僕がいたが、首を横に振りそんなことは起こらないものだ。と完全に否定しておいた。

そして、メールの欄をダブルクリックしメールを開いた。

「初めての勇者からのお知らせ?」

もしかして・・本当に?と言う気持ちと、やっぱりこのタイトル変だ・・という両極端な気持ちに襲われたがメールを読み進める。

「今回は・・第一位を獲得されました「七音様」の要求の影響でお客様に迷惑をおかけすることになりますが、ご了承ください!?」

恒例の社交辞令などは全て、斜め読みし大事であろうところだけを抜き取った。口にしてよんだからかより驚き、怒りと言った感情がミックスされている。そして、改めて続きを読み進める。

「七音様の要求がゲームを作るということなので、只今から三人には実際に異世界に行きゲームを作ってきていただきます。詳しい説明は七音様にお尋ねください。・・文章はそこで終わっていた。

「なんだよ、これ・・異世界?バカバカしい。」

慌ててパソコンを閉じ、普段置いている場所に直そうとすると、彼女が口を開いた。

「あっくん、パソコンからぁ、竜巻みたいなのでてるよぉ?」

彼女の言葉に驚き、慌て、思わずパソコンを落としてしまった。確かに、よく見ると竜巻のようなものは徐々に大きくなり僕たちの方へ向かってくる。

「う、嘘だろ!?」

竜巻による恐怖からカナの手をギュッと握っていた。そして竜巻が爆音を立てながら家を侵食していき、僕たち二人を飲み込んだ。


この度は「僕の幼馴染が魔王になっちゃった!?」を読んでいただきありがとうございます!

まだまだ未熟者ですので、指摘、感想などどうかよろしくお願いします。

なるべく、毎日投稿できるように現在鋭意執筆中です!

*なおこの作品はカクヨムにも掲載しております。                  うちだあかね

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