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ここが変だよナローシュさん  作者: 尾中ぷにゃー
6/11

第6話 日本食すごいと、いただきます

【日本食すごい】(日本食は和食に限らず日本で割と簡単に手に入る食、くらいの意味で使っております)


 異世界食堂いいですね。日本食いいねって言われると一寸ほっこりします。実のところを言えば料理が美味しそうな描写と思っているわけではないんですが。僕にも少しは郷土愛があるのかもしれません。

 

 飯テロではないですけど日本食すごいってテキストは結構多いですが時々怖いです。

 食事のおいしさを伝えているキャラクター達の描写が薄っぺらく低知能に感じているせいもあるかもしれませんが、まるで異世界にはまともな食文化が無いのかと思うほど、異世界人たちが日本食にはまる表現に怖さを感じる時があります。


 いえ、中世風か中世の世界観なので庶民は屑野菜のスープと焼しめられた黒パン(きっと打撃武器)しかないのかもしれません。それなら日本食にはまるかもしれませんが、でもそれって日本食がすごいわけではないですね。


 食ってそれぞれの文化の核になる部分の一つかと思います。大抵の文化で自分たちの食文化は素晴らしいものだと感じられていて誇りを持っている。まあぁ逆の言い方をすれば自分たちは特に根拠がなくとも境界を接している相手より優れているという考えって、結構どんな民族でも散見できると言えるかなと思います。開国の頃の日本は神国だから下等な毛唐共が神聖な日本の大地を踏むことを許すべきではないとかいう意見があったらしい(根拠が薄弱です)のはすごいですね。高度成長期の科学技術の高さを根拠にした横柄さは、いる事自体は分かるんですが。


 気になるのは、異世界人が食文化をもっていないような描写だと、他文化を尊重出来ない⋯⋯無意識に他文化を下に見ているのではないのか。下に見ないと自分の文化に誇りを持てないのかと感じるところです。


 異文化コミュニケーションには本当に触っただけなんですが、異文化との接触に大切なのは、どんな風習文化でもとりあえず否定しないで受け入れることが大切である、とのことですね。


 僕が異文化を見るのってテレビか書籍かネットぐらいなので申し訳ないんですが、大抵の人は自分の文化を愛してる。その地域の社会情勢によって例外はいっぱい出ると思うけど。基本的には誇りを持ってる。


 魚の干物が食文化の中心ってアジアの地域がありました。干物は単なる干物で、正直に書くと高床式の建物とかまどがあるだけの台所と相まって割と時代的に見えたんですが、そもそも文化でどちらが上ということもないので―――汚染の少ない自然食品を食べられて、魚が取れる限り飢えることはあまりない生活と、かなりの人が会社の家畜であると自分を考えていて眠る時間もゆっくり食事をとることもできない生活はどちらが文化的に上か考えても仕方がない―――日本に来たらたくさんのものが簡単に手に入ることをすごいと思っても、故郷の慣れ親しんだ食文化は捨てない、こだわりをもつだろうと思います。

 (あと日本食はとても味が濃いので)


 なのであのまるで異世界には食文化をが存在しないような描写と知能が無いような描写を読むと一寸日本人と言うかナローシュさんの他文化の人に対するスタンスって怖くなります。ついでに言うと価値観を異にする他人もですが。


 どこの地域と細かく言えるほど知識はありませんのでどこまで本当かわかりませんが、中世の身分制度の中で発達した、「地面より高い位置に出来る食べ物は上等で貴族の食べ物、地面の下にできるものは平民の食べ物」とか「貴族は繊細な存在なので、繊細とされる食材は貴族しか食べてはいけない」とかいう価値観が障害やイベントになる日本食すげーとか、フレーバー程度なら、地味に既存の食べ物に似ているので好きになってもらえるなどで納得力のあるお話が読んでみたいです。資料集めは大変そうですが。


 下に描くとしても料理技術自体が発達していないとか、質の低い宿で何日か前に作った料理を温めなおして出しているような料理ばかりで美味しいものが食べられないとか色々やり方はありそうな気はします。


【いただきますは感謝の心】


 これも上記と同じですね。狩猟民族だと狩られてくれた獲物に感謝の言葉をささげたり、森の精霊的なものに感謝の印として獲物の一部をささげる行為は割と普遍的じゃないかなって思います。特に狩りに運不運が強く影響する場合は謙虚になると思われます。


 農耕文化でも食前に神や祖霊に祈りを捧げたり感謝を表すのは結構な文化が持っているんじゃないでしょうか。感謝するのは日本独特の文化じゃないんだけど。


 でも異世界モノだと「いただきますって素敵な習慣ですね! 私たちもこれからは食べる前にいただきますって言うことにします」というのがそこそこあります。

 どれだけ異世界下げなのか、と言うかそこら辺まで行くと異世界人に言語があることすら不思議です。これが感謝する日本人だぜってどや顔してそうなのがすごく痛々しい。


 まあ異世界なので絶対にあるとは断言できませんが、異世界と言うか原始時代に転移して言語すらないお話もありましたしね。そういうのならいただきますも納得がいくんですね。後は総力戦に負けて価値観が否定されているとか、宗教が信頼を失ってしまったのでそれまでの習慣が否定されているとか。


【飯テロ】 

 愚痴の様なモノです。飯テロって難しいですね。

 基本的に飯テロは読んだ方が感じるもので、タグで飯テロと自分で主張するのはちょびっとだけ痛く感じなくもないのですが、でもつけてくれた方が断然探しやすいのでむしろ作者さんの親切だと思う時もあります。


 食べ物の話は好きなので「孤独のグルメ」とか「吉田類の酒場放浪記」とか好きなんですけど。あと「野武士のグルメ」でしたっけ? 二番煎じそうだけど江戸の食が見れるなら見てみたいな。

 さておき飯テロの小説ってなかなか見つから無くて困ってます。他のサイトも見てみろよって話ではありますが。


 個人的な志向として小説ではなく映像ですが、中村吉右衛門さんの鬼平の食事シーンは鬼平が美味しそうに、しゃも鍋をほおばっているから美味しそうなのであって別にしゃも鍋自体がうまそうと感じるわけではない(寒い日に湯気を立ててたらおいしそうですが)のでなおさらです。小説の鬼平を読んでも食べたくはならないかな。池波先生の文章はすごく飯テロみたいですけど。


 食事のシーンって小説だとすごく難易度が高いですね。こまごま食感や味などを描写されてもよくわからないです。美味しそうに食卓を囲んでいるシーンを見ると自分でも食べたくなってしますんですが。後は食事することにこだわっているキャラクターが是が非にでも食べようとしているとか。


 ところでここでCM?です。食の描写に関して個人的にとても興味を持っている書き手さんがいます。橋本ちかげと言う方なんですが。食に関する連載「ちかげ食割烹」は美味しそうなんですけど読んでも『ぐぬぬ、食べたい』とまでは思わないんですが、活動報告の食べ物のものはなんだかすごく食べたくなります。罪作りな活動報告だなと思います。やっぱり活動報告の方は自分が食べて美味しいって気持ちが前面に出ている(僕はそう感じる)からなのかなぁ。飯テロって難しいですね。


 活動報告が、おすすめです。


 

暇なんですね、とのエッセイを拝見したので頑張って書いてみました。暇人ですね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ここが変だよ、と言う批判に留まらず、現実的に考えると、とか実利的に動くなら、と言う別観点からの検証が参考になります。 [気になる点] 第5回 第6回の指摘が胸に痛い痛い…… [一言] 鬼平…
[一言]  いただきますどころか、ヨーロッパふうなら食前の祈りはあってしかるべきだと思うんですけどね。
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